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「“電書フリマ”を書店でやれば紙の本も売れると思うんです」

「文学フリマ」で分かった「電書」の大いなる可能性【その3】

  • 深川 岳志

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2010年7月12日(月)

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 今年5月に行われた「第10回文学フリマ」の仕掛け人、米光一成立命館大学映像学部教授とエンジニアの松永肇一氏の対談も3回目となりました。前回は、米光教授が受け持つ講座の「部活」として始まった電子書籍部が、実際に電書の対面販売を行った模様を伺いました。

 今回は電書を作って売るまでに、いったいいくらかかって、いくら儲かったのか、という、核心に迫るお話を赤裸々にお話してもらいます。(前回から読む)

―― 文学フリマで電子書籍を買うのはとても簡単でした。買いたいものを選んで、お金を払うだけ。お客さんにしてみたら精肉店で肉を買うのとなにも変わらない。ところが、その裏ではクラウドコンピューティングを駆使した、技術的にかなり高度なことが行われている――。前回はここまでお話をお伺いしました。

 で、今回はお金の話を伺いたいんです。文学フリマで、電子書籍の対面販売は儲かりましたか?

米光 最初から儲けるつもりがないんですよ。電子本の値段を100円ぐらいってのも最初から想定していたことだし。

―― 原価の方が高くなってしまう?

著者印税率100%の奇跡

米光 いや、そうじゃないんです。本の売り上げは、全部著者に手渡すんです。100%著者印税。読者から著者へ直接全部行くという発想なんです。なので、僕たち電子書籍部としての収入は電子書籍部で作った本の収入だけです。

―― それはすごい。すごいけれども、どうして著者印税が100%なんでしょう。タグ付けからコンバート、販売サイトの構築。いろいろやっているじゃないですか。それにブースで売っていたのも著者本人じゃないですよね。

米光 部活ですから。タグ付けとかシステム構築っていうのは、自分たちのクラブ活動なんですよ。それをやることそのものが楽しみだったり、学びだったりしているんです。クラブ活動でふつうお金はとりませんよね。

 あともう1つは、対面販売だから余計なコストかからないんですよ。決済の手数料がないですから。

―― でも、売り子さんの人件費とか……ああ、それもクラブ活動か。ええと、今回、みなさんのボランタリーな活動を除いた、純粋な支出というのはどのくらいかかったんですか。

松永 サーバー代が全部で10ドルぐらい。

―― えっ、10ドル(笑)。そんなに安いんですか。

松永 出店代が4500円。それからサンプルの印刷を500円かな。8円コピーでチラシは100枚ぐらい刷ったけど、切って使ったので、これも500円ぐらい。紙関係は合わせて1000円ぐらい。

―― なるほど。サーバー代1000円、出店料4500円、紙代1000円。合計、6500円。総額で1万円、かかってないじゃないですか。

米光 細かいことをいうと、打ち合わせするときのお茶代や資料代を入れるかみたいな話になるけど、そんなのを入れなければ全然かかってないですね。それに、実は打ち合わせのお茶代もほとんどない。スカイプを使ったりしてるので。

松永 スカイプチャットと、講座が終わった後にみんなで飲み食いに行くので、その場で打ち合わせもしちゃう。でも、飲み会は打ち合わせがなくても行くので、経費じゃない。

 実は、今回売った中で、一番売れたのが電子書籍部で作った『未来のテキスト』。これが135冊売れたんです。まとめ買いが多いから135冊×200円ということにはならないけど、2万円近くは売り上げてる。

―― なるほど。「プロフェッショナルコースでやるんだから赤字にはしない」ちゃんと公約をクリアしてますね。つまり、こういうことでしょうか。いったんシステム化してしまえば、電子書籍を作る経費はないに等しい。だから、著者印税100%なんてことができた。

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