• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「日本中の街中で電書を交換し合うのが理想です」

「文学フリマ」で分かった「電書」の大いなる可能性【その5】

  • 深川 岳志

バックナンバー

2010年7月16日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米光一成立命館大学映像学部教授とエンジニアの松永肇一氏の対談もついに最終回を迎えました。前回は電書とコンテンツと日本語レイアウトの関係について考えてみました。今回は明日、7月17日に迫った“電書フリマ”(イベントの詳しい内容は文末をご覧ください)の開催を前に、電書の未来についてお話を伺いました。(前回から読む)

―― 今、我々も含めて紙の雑誌がどんどんつぶれていってます。その中で、文学フリマで電子書籍部がやった、電子版の活字雑誌的なものがすごく面白い。例えば、『本の雑誌』ってもとは電書部みたいなものだったじゃないですか。スタート時には自分たちで担いで配本してた。最初は手書きで、ガリ版。あの感じとすごく似たにおいを感じたんです。

米光 電子書籍って、今、わりと一個のものとして語られているけど、3つぐらいの方向があると思っているんです。一つはいわゆる紙の本。書籍がそのままの形でほぼ変わらずに電子のほうに来る。もう一つは映像だったり、ユーザーインターフェースだったり、ゲーム的なインタラクションだったりが合体する方向。あ、ちなみに僕はゲームをやるので、インターフェースが得意なので、そのへんもやりたい。

 僕から見るとこの手のインタラクションはまだまだ甘いです。ユーザーフレンドリーじゃない。ちゃんと作ればいいのに。発想もデザインも追いついてない。まあ、それはいいとして。

 そして、3つ目は回覧板。家に回ってくる回覧板レベルの電書。例えば、住んでいる地域のことを書いて、飲み屋に行って「この辺のおいしい店とか全部書いたやつを作ったから、読まない?」と、近所の人に売る。

特定エリアや濃いコミュニティーの中での可能性

―― エリアマガジン的なものですか。エリアで絞るのは、対面販売とあっている感じがします。

米光 趣味の分野もできる。僕の友達にインコ好きがいるんです。彼に今『季刊インコ』を作れって薦めてるんです。インコ好きの仲間がいる。インコ好きって2万人以上いるらしいんですよ。

 とはいえ紙の雑誌だと、買う人は数パーセントだから採算考えるとつらい。

―― そうですね。

米光 電書なら、それぐらい濃いコミュニティーがあれば、オフ会のときに新しいのができたよと渡して、渡された子が周りの子にまた渡してということをすれば、ほぼ経費ゼロでコミュニティーの中で流通させることができちゃう。

 そうすると何が起こるかというと、コバヘン(編集者の小林弘人氏)が言っていることですが、編集者の仕事が本だけじゃなくなる。インコ好きの人が言うには、いい鳥かごがないんですって。我々が想像する鳥かごしか売ってなくて、ヨーロッパ映画にでてくるようなかっこいい鳥かごがない。

 あれを輸入すると、形はいいけど、日本の家屋に置くにはちょっとでかいんです。なので、日本向けにしゃれたデザインの鳥かごが欲しいと言っているんだけど、電子書籍をハブにしてちゃんと集まっていけば、実現の可能性が出てくる。

―― 鳥かご屋さんと造形デザイナーを座談会させて、いけるねとなったら作らせるとか。予約をとって、オーダーメードで作れば、確実に誰も損せずに売れる。

米光 季刊インコを編集して、自分たちが欲しいものを手に入れる。それは、今までの紙の編集の仕事より、もうちょっと違うステージですね。でも、編集の仕事ってもともとはそういうものだったと思う。

コメント1件コメント/レビュー

大変有意義なお話、ありがとうございます。私は図書館司書で、読書家です。最近、出版点数が増えているのに、内容の豊かな本は減っている印象があったので、自転車操業のエピソード(前々回)を読んで、なるほどと思いました。やはり、お金を出してまで買いたい本は減っているのですね。(読書家としての私の目では、正直言って、図書館で最初のページを読めば返却したくなる代物も多いのです。)真に読書を読者の手に取り戻すために、電子出版の様々な試みはすばらしいと思います。目には見えない電子情報の網は悪用される恐れも強いのですが、だからこそ、「電子プラス人と人のつながり」で、「知る自由・学ぶ権利」を護ってください。このコラムで提示された諸方法は、使い方に留意すれば、これからの人間の尊厳を護る道具の一つとなり得るかも知れません。(2010/07/19)

「電書革命」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

大変有意義なお話、ありがとうございます。私は図書館司書で、読書家です。最近、出版点数が増えているのに、内容の豊かな本は減っている印象があったので、自転車操業のエピソード(前々回)を読んで、なるほどと思いました。やはり、お金を出してまで買いたい本は減っているのですね。(読書家としての私の目では、正直言って、図書館で最初のページを読めば返却したくなる代物も多いのです。)真に読書を読者の手に取り戻すために、電子出版の様々な試みはすばらしいと思います。目には見えない電子情報の網は悪用される恐れも強いのですが、だからこそ、「電子プラス人と人のつながり」で、「知る自由・学ぶ権利」を護ってください。このコラムで提示された諸方法は、使い方に留意すれば、これからの人間の尊厳を護る道具の一つとなり得るかも知れません。(2010/07/19)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長