「どうする? 日本の医療」

医療機関の広告規制は解禁すべき?

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2010年7月20日(火)

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 駅や道路脇の看板、テレビの深夜番組などにおける医療機関の広告内容に違和感を持っている方は多いのではないでしょうか? 例えば看板類などは、通常、施設の名称や診療時間、連絡先、アクセスなどが示されるだけの味気ないものです。

よくある医療機関の広告例

自由に決められない医療機関の広告内容

 医療機関の広告は、なぜこんな代わり映えのしないものばかりなのでしょうか? 実は、医療機関の広告については、医療法第6条の5で規制されており、その内容を自由に決められないのです。

 現在、広告が可能なのは、医療機関名、診療時間、アクセスや連絡先、標榜科目、実施している医療の内容、手術件数、病床利用率、医療機器、ベッド数、スタッフ数、スタッフの氏名や取得資格など。

医療機関で広告が可能な主な事項

施設名称、住所、連絡先、ウェブサイトのアドレスなど
診療日時
医師の氏名・学歴・専門医資格など
医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴など
職種別、診療科別など従業者の人員配置に関する事項
敷地面積や階層数、医療機器の配置状況などの構造設備
敷地内の写真、建物の外観または内装、医療機器などを撮影した写真や映像
厚生労働大臣が定める検査、手術その他の治療方法など、医療の内容に関する事項
紹介率や逆紹介率
医療選択に資するものとして厚労大臣が定めるもの(セカンドオピニオンの実績など)
治験に関する事項(当該治験薬の一般名称など)
受診の便宜を図るためのサービス(「予約診療あり」「携帯電話使用可」「インターネット接続可」「送迎サービスあり」など)
その他(人間ドックの実施日時・費用など)

 医療機関が医療法で定められたもの以外の広告を行うと、罰則を受けます。これでも、以前に比べれば広告可能な範囲はだいぶ広がったのですが、規制が強かった時代の影響もあり、医療機関の広告は今でも似たり寄ったりなのです。

 こうした規制が設けられているのは、不当な広告による被害の甚大さやサービスの質に対する判断の難しさなどがその理由です。

禁止されている広告表現の例
(出典:「日経ヘルスケア」2007年4月号)
画像のクリックで拡大表示

 ただし、広告内容を過度に規制しすぎると、患者の情報ニーズは満たせません。そのため、広告規制はこれまで、患者のニーズの高まりに応える形で徐々に緩和されてきました。2007年には、広告可能な個別事項を細かく列挙していた従来のポジティブリスト方式を緩和し、包括規定方式に変更。これは、「施設、設備または従業者に関する事項」など、厚生労働省が定めた項目に関しては、正確性や客観性の担保などを条件に自由に広告できる手法です。

 当然ですが、虚偽・誇大広告や比較広告、客観的事実であることが証明できない広告は、これまでと同様に禁止されています。例えば「最高の医療を提供しています」「○○治療では日本一の実績を誇ります」「理想的な療養環境です」などは、規制に触れる表現となります。

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著者プロフィール

木村 憲洋(きむら・のりひろ)

木村 憲洋高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科で講師、日本医科大学で非常勤講師を務める。1971年生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒。国立医療・病院管理研究所病院管理専攻科・研究科修了。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程、神尾記念病院などを経て現職。



このコラムについて

どうする? 日本の医療

医療崩壊が叫ばれる昨今。これまでの日本の医療政策は、主に、厚生労働省と日本医師会の間の駆け引きが軸になっており、医療を受ける国民は、蚊帳の外に置かれてきた。「日経メディカルオンライン」と「日経ビジネスオンライン」では、医療関係者と国民が日本の医療について議論して、知識を共有できる場を提供する。

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