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85. オタク文化と戦後モダンアートの遺伝子。

【前篇】「前衛」の弟としての特撮怪獣ドラマ

  • 千野 帽子

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2010年8月4日(水)

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 日直のボウシータです。お暑うございます。

 モダンアートとオタク文化、と言っても「スーパーフラット」の話ではない。

安部公房全集』全30冊、安部公房 著、新潮社、5985~8400円

 『安部公房全集』(新潮社)に収められている、1950年代中盤から70年代くらいまでの、安部のシナリオ(映画・TVドラマ・ラジオドラマ)を読んでいると、当時の「表現」の手触りがわかってくる。安部の小説だけを読んでいたころには、そこまでは見えなかった。

 安部の小説は当時もいまも一貫して人気があり、ちょっと文化系に傾きはじめた10代男子の多くが通過するマストアイテムだ。安部はまた世界的には劇作家として知られている。しかし映画や放送のためにもけっこうな量のシナリオを書いており、全集でそれを読んでいると、ややインテリ向けの小説や演劇よりもっとサブカルチャーに足をつけた安部の姿が見える。この人も寺山修司同様に、サブカルチャーのスターだったのだ。

 安部公房の演劇やラジオドラマ、河原温(かわらおん)や岡本太郎の美術、勅使河原宏の映画といった戦後のモダンアート(なんなら武満徹の音楽も)は、「大衆的前衛」芸術だった。

 前衛というと実験的で高踏的でとんがったアート志向のイメージのある言葉だ。しかし第2次世界大戦後、とくに日本では、前衛芸術の担い手は、戦前からの国際主義(必ずしもマルクス主義とはかぎらない、もっとも広義の国際主義)や戦後左翼的な大衆運動と密接な関係にあった。美術家や文学者が共産党に入党したり、そこから除名されたり、といったことが表現の世界ではよく話題となった。

 1970年に大阪で開催された日本万国博覧会の象徴が、岡本太郎の「太陽の塔」であったことは、「大衆的前衛」芸術が国家プロジェクトに登りつめたということだ。それはまた、高度消費社会の到来で、前衛がそれまでのスタンスを失った瞬間でもあった。

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