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成功は、1万時間の努力がもたらす

好きこそ物の上手なれ

  • 大野 和基

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2010年9月10日(金)

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 200万部超のベストセラーを連発しているノンフィクション・ライター、マルコム・グラッドウェル氏が9月9日、最新作『What the Dog Saw』を発表した。勝間和代氏が翻訳した日本語版は、以下の3冊に分かれている――『THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎、世界を変えた”ちょっとした発想”』、『THE NEW YORKER 傑作選2 失敗の技術 人生が思惑通りにいかない理由』、『THE NEW YORKER 傑作選3 採用は2秒で決まる! 直感はどこまでアテになるか』。
 同氏はこれまで、2000年に発表した第1作『The Tipping Point』(邦訳『急に売れ始めるにはワケがある』)で潮目が変わる瞬間を考察、第2作の『Blink』(邦題『第1感』)では「人間は最初の直感やひらめきによって物事の本質を見抜く」という仮説を検証した。第3作『Outliers』(邦訳『天才!成功する人々の法則』)では「成功の法則」について考察している。

マルコム・グラッドウェル氏のプロフィール
1963年イギリス生まれ。カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。父親はイギリス人で、母親はジャマイカ生まれのサイコセラピスト。1987年にワシントン・ポストのビジネス担当記者、その後ニューヨーク支局に移り、科学分野を担当する。現在はザ・ニューヨーカーのスタッフ・ライター。

――あなたは失敗よりも成功に関心がずっとあったのか。

グラッドウェル 成功を考えるのに最も興味深い方法は、失敗を通して考えることだ。成功から学ぶことよりも失敗から学ぶことの方が多いと思う。

 私の第3作『Outliers』(邦訳『天才!成功する人々の法則』)は成功物語だ。この中で、最も大きなストーリーの一つとして、ある飛行機の墜落を取り上げた。この墜落は劇的な失敗だった。成功と失敗はコインの両面のようなもので、一つの面からもう一つの面には自然に行くことができる。

 成功した人を見ると、みな大きな失敗を経験して、最後に成功する。

――『Outliers』に登場するスポーツ選手やミュージシャンは、明らかに失敗から学んでいる。でも一般的に、人は失敗から教訓を得られない。何回も失敗する。なぜだと思うか。

 失敗の種類によっては、人に何も教えない。

 私は失敗から学ぶことができる人には、共通したいくつかの性格があると思う。まずresilient(弾力性がある、立ち直りが早い)であること。次に、謙虚でなければならない。また失敗について分析する力が必要だ。この3つを備えている人は非常に稀。だから失敗から学べる人、あるいは組織は、かなり稀な存在だ。

――どうしてそういう人に関心があるのか。

 私は「稀」であることに関心がある。「彼らは私とは非常に異なる」という単純な理由で、変わった人や成功した人、あるいは聡明な人に惹かれてきた。我々はそういう変わった人、つまり変人に惹かれるものだ。

1万時間練習すれば、どんな分野でもプロになれる

――あなたは1万時間練習すれば、どんな分野でもプロフェショナルになれるという理論を唱えた。

 それは私がつくった理論ではない。私はそれを一般に広めただけだ。この1万時間は、方向性を持った、分析を伴う1万時間だ。私は、deliberate practice(熟考した練習)という表現を使うことにしている。外に出て、ゴルフボールを打つだけでは上達しない。弱点を練習する、練習方法を分析する、など常に長所と弱点に集中する1万時間だ。

――一般人は、あなたの本を読んで、上達するにはどうすればいいかを知る。しかし、実行はできない。どうしてだと思うか。

 一つは、「集中して1万時間練習する必要がある」と知ることと、実際に実行することは別であること。1万時間の核心は、それが非常に長いことだ。1万時間の練習を積むためには、10年間はかかるだろう。excellence(卓越)に達するために10年間自分をコミットさせるのは、非常に気が遠くなるようなことである。

 人に「プロになるには1万時間集中した時間が必要だ」と言うと、大概の人は、肩をすくめて「それはあまりにもきつい」と言う。エクセレンスへの到達をやめてしまう。だから、1万時間の練習はとてもハードルが高い。

――何回も失敗して、「もう前進するエネルギーがない」と言っている人にはどうアドバイスするか?

 永久に失敗し続けることはできない。

 ただし、ある特定の状況は人を押しつぶす。例えば、私は『Outliers』の中で、大恐慌時代に育ち、芳しくない人生を送った人々について書いた。彼らは大恐慌をのために押しつぶされた。不況が10年も続いたので、あまりにもきつかった。

 経験の中には自分でコントロールできないものがある。大恐慌もその一つだと思う。あまりにもきつい運命を与えられた人々には、同情する必要があるだろう。

コメント4件コメント/レビュー

『忍耐できること』も才能なのではないでしょうか?それとも、全ての人に忍耐を教え込むことが可能なのでしょうか?例えばADHDの人に嫌いなことに集中させる事が可能なのでしょうか?私は子供の時から「人並みに努力(忍耐・集中)すれば、何でもできるのに・・・」と言われ続けて来ましたが、逆に『何でみんなはこんな退屈で苦しい事を一生我慢できるのだろうか?』という疑問に苛まされ続けていました。自分の才能や能力を、手抜きして楽に生きる事に使うのは、そんなに罪なのでしょうか?嫉妬を買うという事は理解できるので、そもそも才能なんか無いフリをするようにはなりましたが・・・(2010/09/13)

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『忍耐できること』も才能なのではないでしょうか?それとも、全ての人に忍耐を教え込むことが可能なのでしょうか?例えばADHDの人に嫌いなことに集中させる事が可能なのでしょうか?私は子供の時から「人並みに努力(忍耐・集中)すれば、何でもできるのに・・・」と言われ続けて来ましたが、逆に『何でみんなはこんな退屈で苦しい事を一生我慢できるのだろうか?』という疑問に苛まされ続けていました。自分の才能や能力を、手抜きして楽に生きる事に使うのは、そんなに罪なのでしょうか?嫉妬を買うという事は理解できるので、そもそも才能なんか無いフリをするようにはなりましたが・・・(2010/09/13)

プロのピアニストになるには、二十歳までに二万時間の練習が必要、と言われています。3歳から始めるとして、平均4時間くらいでしょうか。(2010/09/11)

だいたい4年から5年で成功するということですか。アメリカンドリームそのものの著作のようですね。これほどまでに前向きになれるアメリカンというものは建国の理念によって血縁なき新世界を成立させた歴史的資産なんだとは思いますが、輸出産品としては効率的ではありません。ステレオタイプなので目次を見ればわかった気になってしまいます。レポートとしてはB’ですね。打率2割5分の右翼手といった感じです。(2010/09/11)

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