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93. 職場の不条理? それとも不幸?

メルヴィル『バートルビー』

  • 千野 帽子

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2010年10月6日(水)

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 日直のチノボーシカです。

 この回を入れてあと8回、書き残したことはないか、と考えて、まっさきに出てきたのが、「職場の不幸」ということだった。

 べつの媒体でも書いたことだが、悲劇と不幸とはべつものだ。みなさん知ってました?

 「シャレにならない」などと言うとおり、悲劇とはトラブルをシリアスにあつかう態度のことだ。悲劇的状況を外からツッコんだら、悲劇は成り立たない。

 不幸は悲劇ではなく、喜劇の題材だ。気の毒な事件は、悲劇のなかでは世界の深刻な宿命であり、因果の糸に導かれた必然的な結果なのだが、喜劇にとってそれは偶然の不幸、人生という名のOSにつきもののバグ、理由のないアイロニカルな「不具合」なのである。

 悲劇と違って、不幸はどこか笑える。そして残酷だ。そんな職場の不幸の例として、今週は『白鯨』の作者ハーマン・メルヴィルの短篇小説『バートルビー』(1856、『幽霊船 他一篇』所収)を取りあげよう。

白鯨 モービィ・ディック』全二冊、メルヴィル 著、千石英世 翻訳、講談社文芸文庫、各1995円(税込)
幽霊船 他1篇』メルヴィル 著、坂下昇 翻訳、岩波文庫、714円(税込)
 

*   *   *

 『バートルビー』の語り手〈私〉は〈もうけっこうな年だ〉(以下、この小説からの引用は原則として拙訳)。ウォール街で司法書士事務所を経営している。

 事務所には筆耕として、ターキー(七面鳥を意味する)という綽名の英国人と、ニッパーズ(釘抜き、あるいは鼻眼鏡、あるいは船上作業用の編み手袋を意味する)という綽名の英国青年がおり、加えてジンジャーナット(生姜ビスケット、あるいは香辛料の一種を意味する)という綽名の見習い兼雑用係を雇っていた。綽名は3人が互いにつけあったものだという。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長