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見捨てられた桑園で50人の雇用を作った古野さん

2010年10月14日(木)

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 国の過疎集落研究会の報告によると、全国には6万2000もの過疎集落が存在している。そのうち、10年以内に2600集落が消滅する可能性があるという。「古老が1人なくなることは図書館が1つ消えること」。アフリカの古い言い伝えにあるように、それぞれの風土に寄り添い、作り上げてきた生活の知恵や文化が消え去ろうとしている。

 瀬戸際に立つ辺境。だが、時代に抗い、輝く人々は現実にいる。東京農工大の客員教授、福井隆氏はこういった“辺境で輝く人々”を目の当たりにしてきた。

 福井氏は年間250日以上、過疎集落に足を運ぶ「地元学」の実践者。これまで7年間、100カ所以上の現場で地域づくりの支援をしている。「地元学」とは、無い物ねだりではなく、今あるもので何ができるかを考える。そのプロセスを通して地域を元気にしていく学問である。

 多くの地域は「ここには何もない」と誇りを失っている。だが、それぞれの足元を見つめ直すことで、「何もない」と言われているところでも、未来への希望を作ることができる。地元学を通して、福井氏は地域住民に気づきを与えている。

 日本中を旅する「風の人」。ゆえに見える地域の未来。この連載では、辺境で力強く輝く人々を福井氏の目線で描く。地域を元気づけるにはどうすればいいか。住民の心に火をつけるにはどうすればいいか。集落に溶け込むにはどうすればいいか――。1つのヒントがわかるのではないだろうか。

 3回目の今回は島根県の奥地にある桜江町桑茶生産組合。見向きもされなかった桑園を再生、桑茶などの商品開発を進めることで50人の雇用を生み出した。「-」から「+」を生み出した桜江町桑茶生産組合の取り組みを見てみよう。

 今回は、いわゆる地域資源を活用し、産業化を果たした有限会社・桜江町桑茶生産組合を取り上げる。この会社があるのは、江の川沿いの中山間地域に位置する島根県江津市桜江町(2004年の合併前は邑智郡桜江町)。最盛期に比べて人口も半分に減少するなど、典型的な高齢過疎の町である。

120ヘクタールの遊休耕地が復活!

 最盛期の昭和30年代、産業の基盤はコメ作りと養蚕だった。だが、中国地方でも有数の桑畑が広がった桜江町も時代の波には逆らえない。約30ヘクタールの桑畑は放棄され、負の遺産になっていた。

一番好きな江の川の風景と古野氏

 そんな土地に、福岡県博多からアイターンでやってきたのが古野俊彦・房子夫婦である。現在、古野氏は桜江町桑茶生産組合など、3社の社長を務めている。グループの売上高は約4億円(平成22年度12月期見込み)。桑茶を中心とした機能性食品の加工、販売をしている。

 桜江町桑茶生産組合は放棄されていた120ヘクタールの遊休耕地を復活させた。地元での生産加工も実現、桜江町の活性化に大きく貢献している。この動きに呼応した行政も、地域での起業と定住を促進する「江津市定住促進ビジョン」を作成、この成功事例をひな型に、多くの取り組みを始めようとしている。

 桜江町桑茶生産組合の成功を振り返ると、福岡県から移り住んだ経済人と行政の協業関係(※“協働”という言葉は日経グループの用字用語になし)が大きな要素を占めていた。その軌跡をひもといてみよう。

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