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部下のケツは必ず俺が拭いてやる!
マーチよりも「チャレンジ」について熱く語り合う2人

第63回:日産 マーチ【開発者編:後編】

2010年10月21日(木)

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 みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。

 日産自動車の「マーチ」の開発責任者、小林毅さんのインタビュー前半。お楽しみ頂けましたでしょうか?
 今までたくさんの開発者の方々にお目にかかり、じっくりと時間をかけてお話をうかがってきました。どなたからも、クルマに対する熱い思いと、エンジニアリングの矜持が強く感じられたものです。
 しかし今回のインタビューばかりは、いささか“趣”が異なりました。もちろん小林氏はエンジニアですから、ボディ軽量化の話やら、エンジンのフリクション軽減やCVTの話やら、工夫を凝らしたアイドリングストップの話やら、“開発の話”が主になるのですが、その合間合間でお話し下さる“それ以外の話”、つまりマネジメントや生産にかかわるお話がまた最高に面白いのです。面白いから、ついつい私がそちらの方面に話を振ってしまう。小林氏もそれに応えて次々といろいろなエピソードを開陳して下さる。
 読者諸兄からは、「クルマの記事なのだからもっとクルマの技術の話を聞いてこい!」とお叱りを受けてしまいそうですが、オモロイ方向へ暴走することこそが、当「走りながら考える」の存在意義であるかと存じます。今回もまた“それ以外の話”に軸足を置いてお届けしますので、どうかご了承下さい。あ、詳しいエンジニアリングの話を読みたい方はどうぞ他のサイトへ。WebCGなんか良いんじゃないでしょうか。

 それでは早速参りましょう。小さな背中に“日産の社運”を背負わされた、新型マーチの開発責任者、PV第一製品開発本部車両開発主管(Vプラットフォーム)の小林毅氏のロングインタビュー後半であります。

 お話し頂いた順番はアベコベになってしまいますが、今回はインタビューの最後に小林氏からうかがった、“読者に対するメッセージ”からお届けしましょう。この部分が一番インパクトが強く、心にズンと響いたものですから……。

*   *   *

フェルディナント(以下、F):お忙しい中、長い時間頂いて誠にありがとうございました(この段階で、既に頂いた時間から40分以上もオーバーしていた。この間、小林さんの社内PHSには何度も電話が入る)。最後に1つ。日経ビジネスオンラインの読者に何かメッセージを頂けないでしょうか。特に今回はクルマから離れてビジネスのお話をたくさんうかがうことができたので、読者のみなさんも大いに刺激を受けるのではないかと思います。

日産自動車 PV第一製品開発本部 車両開発主管(Vプラットフォーム) 小林 毅氏

小林(以下、小):チャレンジです。新しいことにどんどんチャレンジしないといけない。

F:チャレンジ、ですか……(この段階では、失礼ながらありきたりだなぁ。誰でも言いそうなことだよなぁ、と思ってしまった)。

小:そうです。どんどんチャレンジして、クルマのプレゼンスを高めてグローバルな認知度を広め、ひいては自分の会社の業績を伸ばしましょう、と言うことです。

F:ははぁ。なるほど(何とも優等生的な発言。劣等生代表のヤマグチ選手はドン引き)。

小:ただ、チャレンジさせるときに、トップマネジメントは部下が失敗したときの保険を必ず持っていなければなりません。部下の課長級の連中に、あれやれこれやれチャレンジしろ、と指示するわけです。コストを3割削減しろ、品質は50%上げろ、構成部品点数を半分にしろ、とか。今まで月100件きていた市場クレームを50件にしろ、とかね。普通ならもう無茶苦茶にチャレンジさせるわけです。
 でもチャレンジなんて全部が全部うまくいく筈はない。失敗は必ずある。歩留まりというものがあるんです。Vプラットフォームの場合、チャレンジの件数を勘定すると500件以上あったのですが、うまくいったのはおよそ6割。4割は失敗している。そのギャップをどう埋め合わせるか。責任者は自分の懐にキチンとお金と時間を持っていなければダメなんですね。

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「部下のケツは必ず俺が拭いてやる!
マーチよりも「チャレンジ」について熱く語り合う2人」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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