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「友達がいなさそう」が罵倒の文句になる理由

  • 津村 記久子

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2010年11月1日(月)

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 一年ほど前に日本経済新聞で書いた「友達がいなさそう?」というタイトルのエッセイが、今年の9月に「天声人語」で引用され、それを踏まえて、AERAの取材を受けた。インターネットで20~30代の若者300人を対象にアンケートを採ったところ、その設問の一つである「ないと不幸なもの」で、「友達」という項目が第一位にあがったので、友達がいなさそなことがどうのと語っていたわたしに話を聞いてあげようということになったのだそうだ。

 テレホンショッキングでタモリが便所飯(注)の話をしていたし、何なのか、最近は友達がいないということについて考えるのが密かに流行っているのかしら、と思った。

* * *

 「友達がいなさそう?」というタイトルのエッセイには、この言葉が人への罵倒でいちばん厳しいものなのではないか、と書いた。

 「あの人、友達がいなさそう」という言葉には、対象が生きてきた背景そのものを否定するニュアンスがある。ブスとかバカとか自己中とかルーズなどといった、矯正が可能かもしれない事象への部分否定の何倍も手厳しい。自分自身がときどき、あまりにもめんどくさいなあ、という人に接した時に、友達がいなさそうだ、という一言で片づけることがよくあるので、それはちょっと雑すぎるだろう、と考えてエッセイを書いた。

 「あの人、友達がいなさそう」と言われることは、ある年代より上の人にとっては、もしかしたら屁でもないのかもしれないけれども、三十代半ばよりも下ぐらいの人には、すごく厳しい言葉として響くんじゃないかという考えは今も変わらない。

 つい先日も、三十歳になったばかりの男性編集者にこの文言を言うと、うわっとのけぞり「全人格を否定するようなものだ」と言っていた。こちらがただ、罵倒の文句として紹介しただけであるにもかかわらず、その三十歳男性は、すぐにその意図を汲んでいたのだった。

 「友達がいなさそう」という言葉は、ただの事実の推測にとどまらないのだ。なぜその人に友達がいなさそうに見えるか、という理由も炙り出し、「友達すら作れない生き方」を断罪する。

(編集部注:「便所飯」とは、1人で食事を食べている姿を他人に見られると友人がいないと受けとめられると思い、それを避けるためにトイレの個室で食事をすること。最近の若者に広まっているとされる)

* * *

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