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怪男児が吾妻ひでおから聞きまくった『失踪入門』
~床屋に行くのも社会性の一歩

  • 浅沼 ヒロシ

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2010年11月8日(月)

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失踪入門――人生はやりなおせる!』吾妻ひでお著、中塚圭骸/インタビュー、徳間書店、1365円

 吾妻ひでお氏は、知る人ぞ知るギャグマンガ家である。

 1969年にデビューしたあと、『やけくそ天使』、『不条理日記』などで注目を集めるが、80年代半ばから作品の発表が減り始め、89年と92年に仕事を放棄して長期間失踪してしまう。その後、アルコール依存症で精神病院への入院も経験するが、自身の失踪経験、アルコール依存症経験をギャグ仕立てに描いた『失踪日記』が2005年にベストセラーとなり、多くの賞も受賞する。

 本書は、『失踪日記』の熱がまだ冷めやらぬ2006年9月から09年11月号まで雑誌に連載された「失踪入門」に加筆修正したものである。

 往年のギャグマンガ家のベストセラー人気に当てこんだ企画は、吾妻マンガのファンを連れてきて吾妻氏に人生の教えを請おうというもの。言っちゃあ悪いが、2匹目のどじょうを狙った、安直な企画だ。

師匠も真っ青の弟子が入門

 第1回の対談でも、「栄えある失踪入門者第一号に名乗りをあげた中塚圭骸氏」なんて紹介しているから、うまく吾妻氏にハマらなかったら2番目の弟子をさがそう、という魂胆がミエミエである。

 ところが、この中塚氏、ただ者ではなかった。

 10代からのアズマニアなのはさておき、〈テクノで、香山リカさんの実弟で、セレブのはずの歯医者の地位をなぜかドロップアウトして、CD出したり色々しているピュア&プリティで、カオスでクラッシュでアンビリーバブルなナイスガイです。世間で大事件があると心が壊れて、本当に胃に穴があくという特技があって……〉という怪男児ぶり。

 この企画で吾妻氏に会えるというので、「失踪」を体験しようと、4回もホームレス生活にチャレンジしてきた、という意欲満々の志願者なのだ。

 「気に入っていただけました? 弟子入りOKですか?」と編集者が確かめたところ、吾妻氏は〈うん、明るいおたくだからいいよな〉と返してくれた。

 弟子入りを認められ、こうして3年におよぶ「失踪入門」がスタートした。

 第2回からは「失踪」の実践編に入る。

 中塚氏がミニ失踪体験したとき、ゴミ捨て場のポリ袋を開けることが大きな壁になった。袋の山の前で膝がふるえ、涙があふれてきたという。そんなにイヤなら体験しなきゃいいのに、という突っこみはさておき、最初の弟子の質問は、「(失踪開始から)ポリ袋をあさりに行くまで、何日くらいかかりましたか?」だった。

 〈俺は二週間くらいかな。すぐにはできないよね〉と答えたあと、〈でもまあ、体験入門なんだからポリ袋に行くまでしなくても、せいぜいコンビニの賞味期限切れ狙うとかで〉と、初心者へアドバイスを垂れる。

 続いて話題は排泄行為、寒さ対策、水分補給など、屋外生活を営む際に身につけておかなければならないサバイバル術へ。失踪後に体験したホームレス生活のノウハウを聞きだしたあと、連載第9回からの第2部では、失踪にいたる精神状態についてのインタビューにうつる。

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