みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。
試乗編、インポーターのインタビュー編と続いた、ニュー・ジャガーXJ特集。お楽しみ頂けましたでしょうか?
今回はジャガー最終回の“オーナー編”なのですが、いやはやネタ探しには苦労いたしました。
何しろ新しいジャガーに乗っている人が見つからないのですよ。友人知人のツテを辿っても、誰も乗っていない。それでは得意の突撃インタビューを……と思っても、街中で見かける機会がほとんどない。
高級ゴルフ場でやっと見つけた純白のXJ
これには参りました。かくなる上はディーラーを訪問して、「最近はどうっスか?」と聞いてみるしかないか……半ば諦めかけていたところ、グーゼンにも発見いたしました!某偉い方のお供で出かけた千葉県のゴルフ場(JALの新会長が理事長を務められ、大勲位閣下が名誉会員の由緒正しきコースです)。屋根付きのパーキングに純白のXJが鎮座ましましているではありませんか。
こいつはナイスと喜んだのも束の間、考えて見ればここは法人会員のみの高級ゴルフ場。会員権市場で取引されることもほとんどない、クローズドな世界。限られた方々が集う特別な空間です。私のようなお付きのザコが、おいそれと会員様に声を掛けられるような雰囲気ではないのです。そもそもどこのどなたが乗っておられるかも分からない。クルマに乗り込むのは帰りがけのほんの一瞬でしょうし、それもショーファーが運転している可能性が高い……。
やれやれヌカ喜びか……。
ゴルフが終わり風呂に入りラウンジでコーヒーを飲んでいると、偉い方がポツリとおっしゃいます。
「あれ?ケータイがない……」
「カートにお忘れになったのでしょうか?マスター室に聞いてまいります」
「いや、コースには持って行っていない。おそらくクルマの中に置き忘れたのだろう。ヤマグチ君。悪いが見て来てくれないか」
「かしこまりました」
ふだんのナメた文体からは想像も着かないでしょうが、私はこうした時に実に素早くササっと動きます。なんせ本業は堅気のリーマンですから。
クルマのキーは運転手さんが持っているので、まずは彼を探し出さなければいけない。クルマの中で雑誌を読んでいるか、はたまた運転手控室で将棋でも指しているか……。自分のケータイを取り出し、運転手さんに電話をかける。彼は既にクルマの中に控えていました。
「あ、ヤマグチさん。お早いですね。クルマを回しますか?」
「いえ、まだ結構です。車内にケータイをお忘れのようですから、ちょっと取りに行きます」
「わかりました」
フロントを出て、パーキングを横切り某偉い方のクルマまで急ぐ。果たしてケータイは後部座席の肘掛に置いてありました。
小走りで建物に戻ろうとすると、例の白いジャガーが車寄せに向かって行くではありませんか!見ると様子の良いご婦人が運転していらっしゃる。どうやらご自身でハンドルを握りゴルフ場まで来られたようです。玄関にはもう1人ご婦人が立っている。偉い方のご夫人同士が乗り合って、プライベートのゴルフにいらしたのでしょう。
ぎりぎり30代の女性です。主人が車好きなのでなんとなくつられて読んでますが、今回のコラム非常に面白かったです。特に最後の箇条書きのラスト2つ。女性の会話って、こうだよなあ~~~~って変なところで大笑いしてしまいました。しかし、この貴婦人方っていったいどなたなんでしょう。とっても気になります。(2010/11/25)