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『にほんごの話』でコピペ文章から脱け出す
~詩人の文章スキルはビジネスに役立つ

  • 大塚 常好

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2010年11月29日(月)

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にほんごの話』谷川俊太郎・和合亮一著、青土社、1470円

 まったく、詩人きどりの同僚や部下の企画書なんて、誰も読みたくないだろう。ボツか採用か。勝負を書けた仕事の一大事に、ひとりよがりのポエムなぞ邪魔なだけだ。

 でも、「詩人気取り」ではなく、日本を代表する詩人である谷川俊太郎が、企画書を書いてくれたなら……。もちろん仮定の話。詩のように無駄がなく、喚起力があり、読む人の心を打つ表現力が発揮されたら……。読みたい、読みたい。

 言葉のマジックで、企画案はすんなり通るかもしれない。

貧しい決まり文句で回る世界

 さて。妄想はこれくらいにしておいて。

 本書は、『ユリイカ』『國文學』などに掲載された、詩人の谷川俊太郎氏(1931生まれ)と和合亮一氏(1968年生まれ)の対談をまとめたもの。世代の異なる詩人の哲学や文章技術が、現代の世相を踏まえた形で率直に語られていて、面白い。

 とりわけ興味深かったのは、戦略と思惑が渦巻くビジネス文書に、詩人特有の感受性や左脳右脳を駆使した文章スキルが、案外、応用可能だと思われたこと。詩作のエッセンスを盗めば、ビジネス文書は磨かれる、と感じた。

 谷川氏は語っている。

〈テレビを見ても新聞を読んでも画一化された表現ばかりですよね。同じような事件が繰り返し起こるのを、同じような決まり文句で繰り返し報道していて、(中略)世界が貧しい決まり文句だけで回っていく。そんなものばかり見ていたら、そういう風にしか世界を見られなくなってしまう(後略)〉

 貧しい決まり文句。その悪循環を壊すには、絶えず瑞々しい「世界認識」がないといけない、と谷川氏は言うのである。

 思えば、自分の企画書だって、メール文だって、手垢にまみれた言葉のオンパレード。もちろん、書いている時はそれなりに一生懸命だ。けれど、後で読み直し、その語彙の貧困さに幻滅することもしばしばである。

 その理由は、自分の属する業界に流通する用語に慣れ切ってしまったからだとか、読書不足だとか、まあいろいろあるだろう。

 谷川氏は続けて語っている。

〈(今の言語状況からは)人間の一個の肉体の体験が見えないんですよね(中略)ひとりの個人がある言語を発言したり書いたりすることで個別性って出てくるわけだけど、その個人の奥底から湧いてくる言語がすごく少なくなっている〉

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