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“よそ行き”ロッテが“普段着”中日を下した日本シリーズ

史上初めてリーグ3位チームが日本一に輝いた理由

  • 森本 美行

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2010年12月8日(水)

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 2戦連続の延長戦の末に、千葉ロッテマリーンズが中日ドラゴンズを下して日本一に輝いた今年の日本シリーズ。勝者と敗者の明暗を分けたポイントはどこにあったのか。熱戦から1カ月が過ぎた今、データを基に冷静に振り返ってみたい。

 まずはロッテが優勝を決めた第7戦のハイライトから見ていこう。

 ロッテが3勝2敗と中日をリードし、王手をかけて臨んだ前日の第6戦。試合は2-2のスコアで延長戦に突入し、シリーズ史上初の延長15回引き分けに終わった。

 その余韻が冷めやらぬ中、第7戦は行われた。一時は6-2と4点を中日がリードしたものの、ロッテが5回に同点に追いつき、7回に1点を追加して逆転。しかし、そこから中日が粘りを見せる。9回の土壇場で追いつき、再び延長戦に入った。

 10回、11回と両軍無得点に終わり、前日と同様の重苦しい緊迫した雰囲気が漂う12回表。9回からマウンドに上がっていた中日の浅尾拓也が2死2塁から、ロッテの岡田幸文に3塁打を浴び、ついに均衡が破られた。

 12回裏をロッテの伊藤義弘が3人でシャットアウトし、ゲームセット。ロッテが史上初めてリーグ3位から日本シリーズを制した。

シーズンと同じ戦い方に徹した中日

 ロッテの岡田に決勝打を許した中日の浅尾。誤解を恐れずに言えば、彼は打たれるべくして打たれたと言える。

 9回から登板して今季最多の64球を投じたことに伴う疲労だけが原因ではない。浅尾のピッチングはこの日、前日までと様変わりしていた。

 シリーズ全体で見ると、浅尾の配球はストレート53%、フォーク40%、スライダー7%という割合だった。それが第7戦に限ってみると、フォークが27%、スライダーが3%と変化球の割合が激減し、ストレートの比率が70%まで高まっていた。

 これはとりもなおさず、フォークでカウントを取りに行く彼本来のピッチングを、第7戦ではできていなかったことを意味する。打者の方は、ストレートを狙い打てばいい。事実、岡田は試合後、真っすぐに的を絞って、その通りに直球を振り抜いたと語っている。

 浅尾の投球パターンが崩れてしまったのは、日本シリーズの前のクライマックスシリーズから登板の機会が多く、疲労が蓄積していたことが一因だろう。そのために変化球の制球が定まらず、第7戦ではストレートを多投せざるを得なかったと思われる。

 中日監督の落合博満も、浅尾に疲れが見えていることは百も承知だっただろう。それでも浅尾を起用し、点を取られるまで続投させた。なぜか。同監督がレギュラーシーズンと同じ戦い方を貫こうとしたからにほかならない。

 落合は2-5のスコアで敗れた第1戦の後、「誰が使えて誰が使えないかを見極めないとな。状態の悪いやつをいつまでも使っていられないから」と話していた。

 しかしこの発言とは裏腹に、選手の起用をレギュラーシーズンと全くと言っていいほど変えなかった。それは、レギュラーシーズンと同じ戦い方をする以外に勝ち目がないと思っていたからではなかろうか。

本領を発揮できなかった中日の強力投手陣

 中日にセリーグ覇者の栄冠をもたらしたのは、投手力。特に中継ぎと抑えの救援陣が強力で、「先発→中継ぎ→抑え」の継投によって失点を防ぐという勝利パターンを確立していた。

 だが、読売ジャイアンツを4勝1敗で退けたクライマックスシリーズのファイナルステージでは、自慢の投手力に綻びが見え始めていた。

 唯一の敗戦となった第3戦では、同点で迎えた9回表に守護神の岩瀬仁紀が巨人の阿部慎之介に決勝ホームランを浴び、2点をリードした第4戦でも浅尾が打ち込まれて同点に追いつかれるなど、変調の兆しが出ていた。

中日;試合別先発・救援防御率
投手 シーズン CS 日本S
先発 3.42 0.74 6.82
救援 3.02 3.09 2.23

 日本シリーズ本番でも、本来のピッチングを披露したのは、第2戦で6回を1失点に抑える好投を見せたチェンくらい。救援陣だけでなく、初戦で序盤に3点を喫して3回で降板した吉見一起をはじめ先発陣も不調。強力投手陣の本領は第2戦を除いて見られなかった。

 にもかかわらず、投手戦に活路を見いださざるを得なかった。恐らく打線に頼ることができなかったからだろう。

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