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ゲームは、もはや「コンテンツ産業」ではない!

2011年の潮流を予感させる“知られざる新作ソフト”

2010年12月17日(金)

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 1968年。アンディ・ウォーホルは言いました。

 「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」

 メディアが発達した社会が到来すると、誰もが世界的な耳目を(15分間くらいならば)集められるようになる。そんな事実を、40年以上も前に喝破していたのです。

 さて。その言葉にならうならば、現在のデジタル・エンタテインメントの潮流は、次のように言っていいでしょう。

 「未来には、誰もが15分間は世界的な作家になれる」

 動画サイトを見てください。プロが作った高品質な動画もあれば、自宅の仔猫を映しただけの動画もある。プロとアマは完全に混在し始めました。そして驚くべきことに、アマチュアが作った猫の動画のほうが、より再生回数が増える(より多くの人を楽しませる)ということも、当たり前のように起きているのです。

 人を楽しませるコンテンツを作れるから、プロは凄いのだ!

 という前提が、ガラガラと音を立てて崩れ始めている、ということです。これ、現在のデジタル・エンタテインメントの潮流を読み解くための、とても大切なポイントなんですね。

「コンテンツ」は売れず、「ツール」が売れる

 プロとアマの混在は、あらゆるコンテンツ産業のビジネスの根幹を、ひっくり返します。

 例えば、家庭用ゲーム機のビジネスは「ゲーム作りのプロたちが作った作品を、ユーザーが購入する」からこそ成立するビジネスです。作り手と遊び手が、明快に区分されている時、「面白いコンテンツを販売する」というビジネスは成立します。すべてのコンテンツ産業が、そうですね。

 しかし、ユーザー自身がコンテンツの作り手に回り、みんなを楽しませる時代になったら、どうなるのか? どんな影響が出るのか?

 答えは簡単です。例えば、大量の資金と人材を投入した大作ゲームの売れ行きが苦戦し始めるんですね。コンテンツとしての魅力を高めただけのソフトは、既にどんどん苦しくなっています。

 だから、今、人気を誇っているゲーム――例えば「モンスターハンターポータブル3rd」、「NewスーパーマリオブラザーズWii」、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」は、すべて“みんなで遊ぶ”ことに楽しさの重点が置かれているものばかり。

 共通しているのは、コンテンツとしての側面が弱いこと。むしろ、みんなで遊ぶため、楽しむための「ツール」として評価され、それがヒットの要因になっています。そういうツールを作るのは、個人のアマチュアでは荷が重いため、プロの独壇場になっているわけですね。

 これは全世界的な傾向でもあります。北米や欧州、さらには著しい拡大を見せる中国市場でも同じこと。そこではネットを介して楽しむオンラインゲームこそが、ビジネスの主戦場になってきました。ゲームビジネスは、「みんなが楽しむツール」を生み出すことにしのぎを削る、という時代に突入しているんです。

誰もが音声サービスを作成できる

 そんな時代に、ぜひ注目しておきたいソフトを紹介しましょう。

 それが「じぶんでつくるニンテンドーDSガイド」。11月17日から配信が開始されています。でも、多くの方は名前すら聴いたことがないでしょう。ゲーム関連メディアでも、大きく取り上げているところはありません。

 しかし、これこそが「ユーザーがコンテンツを作る事態」の到来に合わせた、ゲーム業界からのひとつの解答なのかもしれません。

「じぶんでつくるニンテンドーDSガイド」(販売元:任天堂/ニンテンドーDSi用ソフト/ダウンロード専用/価格:無料)。美術館や博物館などにある、「展示物を解説するための音声ガイド」を、ニンテンドーDSで作成・配信するためのツール。どのように活用できるかは、公式サイトをご覧ください。(c)2010 Nintendo

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「ゲームは、もはや「コンテンツ産業」ではない!」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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