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彼らがあのツイートに怒った本当の理由

2011年1月7日(金)

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 冒頭のイラストは、年賀の挨拶を兼ねている。さよう、賀詞兼任コラム。二兎を追う形だ。

 ご存知の方もあるだろうが、私は虚礼廃止の建前を貫徹すべく、この十年来、郵便局経由のリアルな年賀状を廃絶している。
 そのくせ、生来の小心ゆえ、返事を書かずにいることに毎年心を痛めている。今年は「年賀状の返事を書かない件についてのお詫びのハガキ」を投函しようとさえ考えたほどだ。最後まで迷った。うむ、本末転倒。

 ん? 不義理を気に病むぐらいなら、変な意地を張るのはやめたらどうだ、と?
 お言葉痛み入る。私は素直に年賀状を書くべきなのかもしれない。
 でも、それができないのが偏屈者の宿命で、素直になったら今度はコラムが書けなくなる。ダブルバインド。因果な稼業だ。

 イラストのもうひとつの意味は、お察しの通り、麻木スキャンダルだ。いさぎよくなき二兎なるウサギ。具体的に申せば、麻木久仁子さんと大桃美代子さんおよび山路徹氏(以下、三氏について敬称略)の古い三角関係をめぐって展開された年末の醜聞報道を描写している。
 当スキャンダルについて興味を持っていない人々もおられることだろう。当然だ。休暇前の数日を忙しく働いていたビジネスパースンにあっては、名前さえ初耳かもしれない。でなくても、上品な市民の皆さんは、この種の話題にはアンテナを畳んでかかるのが常法だ。ということは、日経ビジネスオンラインの読者のおそらく半数は、この話題について知識を持っていないのかもしれない。ブラボー。

 なので、最初に、ざっとしたところを解説しておく。
 要は不倫スキャンダルだ。
 発端は、大桃美代子という名前のタレントさんが12月の下旬のとある夜、ツイッター上に書き込んだ以下のフレーズだった。

「今年嬉しかったことは、Twitterを始めて色々な方と出会えたこと。ショックだったのは、元夫が麻木久仁子さんと不倫していたことが分かったこと。先輩として尊敬していたのに、ショック(´Д` )どうして(ToT)辛い」

 これが、2ちゃんねるに引用されて騒ぎになり、以後数日間、海老蔵事件を吹き飛ばす芸能ネタとして、クリスマス前後のワイドショーを席巻したのである。

 くだらない、と?
 そうかもしれない。
 一歩離れて見直してみれば、しょせんは他人の色恋沙汰だ。倫理や道徳を論じてどうなるものでもない。人は適切な相手だから惚れるわけではないし、道徳的に正しいという理由で恋に落ちるのでもない。とすれば、どこかの誰かが婚外交渉を持っていたのだとしても、当事者以外の人間には、あずかり知れぬではないか……という、この一見賢明に見える所見も、実のところ、一方の建前に過ぎない。

 テレビは知名人の色恋沙汰を動力源として番組を回転させているメディアだ。
 そうである以上、上記の見解は、視聴者が口にするのならともかく、テレビにかかわっている側の人間が言って理解してもらえるスジの話ではない。
「どの口が言うんだ?」
 ということになる。
 誰もバス釣りの竿を担いだ連中に環境保護の説教をされたいとは思わない。
 だろ?

 ところが、本件を報道することに対しては、当初、スタジオの曲線テーブルに座っている人々のうちの、かなり多くのメンバーが、抵抗感を隠さなかった。
 ここのところが、この問題の独特なところで、つまり、麻木スキャンダルは、発端からして普通の不倫スキャンダルではなかったのである。
 というよりも、当スキャンダルの面目は、メディアの人々が考える「正しいスキャンダル」としての要件を欠いていたところにあるわけで、だからこそ麻木問題は、テレビよりもむしろネット上で加熱したのだ。

 今回は、麻木スキャンダルについて考えてみる。
 不倫についてどうこう言いたいのではない。
 私が話題にしたいのは、「テレビにおける不倫の扱われ方」の変遷とそのご都合主義についてだ。

コメント33

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「彼らがあのツイートに怒った本当の理由」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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