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どんな生を生きようと、彼らは根本的に幸福なのである。

『イリアス』ホメロス著

2011年2月3日(木)

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『イリアス』とは何か

『イリアス』は、ギリシア最古にして最高峰と称賛される叙事詩だ。

「イリアス」とは「イリオンの歌」の意味。
「イリオン」は「トロイエ」の別名。
そして「トロイエ」は、あの有名な「トロイの木馬」作戦によって壊滅させられた古代の国のこと。

『イリアス』は、つまり、滅び行くトロイエ国の歌なのである。

2600年前に『イリアス』ができるまで

紀元前13世紀のことだ。
ギリシアとトロイエの間で戦争が勃発する。
事実なのか伝説なのかもわからないこの戦いは、「トロイエ戦争」と呼ばれている。

トロイエ戦争から500年が経った紀元前8世紀。歌い継がれてきたこの戦争にまつわる物語を、ひとりの詩人が一編の叙事詩にまとめあげた。詩人の名はホメロス(前800頃)。その詩は、ホメロス以降さらに200年ものあいだ口伝され、ついに紀元前6世紀、文字に書き写された。

これが『イリアス』の成立過程だ。

海を渡って戦争へ

地図を見よう。
トロイエは、エーゲ海沿岸の国だ。
しかし、ギリシアの隣国ではない。
いや、隣どころか、エーゲ海を挟んで向かい合っているではないか。
ギリシアは、わざわざエーゲ海を渡って戦争をしかけたのだ。

彼らは、なぜ、そうまでしてトロイエを攻めたかったのだろう。
ことの発端は、いったい何なのか?

戦争の始まりは、王妃の不倫・駆け落ち事件

始まりは「世界一の美女」と謳われたスパルタ王妃ヘレネの「不倫・駆け落ち事件」である。

当時のギリシアはいくつもの都市国家から成っていて、スパルタはそのうちのひとつだった。
トロイエの王子パリスは、あるとき、そのスパルタを訪ねる。
パリスもまた美貌で有名な男だ。彼は、あろうことか、スパルタ王妃ヘレネを口説き始める。そして、ついにパリスとヘレネは駆け落ちしてしまった。

スパルタ王は怒った。
当然だろう、客人としてもてなしていた男に王妃を奪われたのだから。
「絶対に妻を取り返す。そして、トロイエなど滅ぼしてやる!」
スパルタ王はギリシア各地の王たちに参戦を呼びかけた。

呼びかけに応えて、王たちはトロイエ征伐を目的とするギリシア連合軍を結成した。
総大将はスパルタ王の兄、ミケーネ王アガメムノンだ。
彼らは無数の軍船を繰り出して、トロイエを目指す。

長期化するトロイエ戦争

海岸に軍船を並べ陣を張るギリシア軍と、城に籠もって迎え撃つトロイエ軍。
この戦いは、戦士たちの予想を超える長期戦となった。アキレウスやオデュッセウスなど、ギリシア軍には何人もの英雄豪傑がそろっていたが、トロイエの戦士も手強く、その城はあまりに堅固だったのだ。ギリシアとトロイエ、いずれの国が勝つとも知れず、たちまち9年の月日が過ぎ去った。

……ここまでは、まだ『イリアス』前史に過ぎない。
『イリアス』に描かれているのは開戦10年目のエピソード、「アキレウスの戦線離脱事件」の顛末である。

長編叙事詩『イリアス』のあらすじ

『イリアス』のストーリーは、大きく前半と後半に分かれる。

●前半のあらすじ(アキレウスの戦線離脱)

ギリシア軍の全将兵の中で最強はアキレウスだ。いや、トロイエ軍を合わせても、アキレウスに優る戦士はいない。アキレウスの姿を遠くに認めるだけで、トロイエ勢は動揺してしまうほどだ。

しかし、そのギリシアの切り札アキレウスが戦線離脱してしまう。
なぜか?
負傷ではない。裏切りでもない。
戦いに飽きたとか殺し合いが嫌になったとか、そんなことではまったくない。

アキレウスの心を傷つける事件が起こったのだ。

ギリシア軍の集会が開かれたとき、総大将アガメムノンは、不当にも権力に物を言わせて、アキレウスの戦利品(である女性)を取り上げてしまった。

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