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「使い捨て」より「借りぐらし」がいい!

『メッシュ』著者に聞く、新潮流の共有型ビジネス最前線(前編)

2011年2月24日(木)

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――どんなきっかけで、この『メッシュ』を書こうと思ったのですか。

リサ・ガンスキー氏(Lisa Gansky)
シリコンバレーの名物起業家。1990年代前半に米国で最初の商用ウェブサイトGNN(のちにAOLが買収)や写真共有サイトのOfoto(オフォト)といった複数の先駆的なインターネット関連ビジネスを立ち上げる。オフォトはイーストマン・コダックへの売却により4500万人以上の顧客を誇るサービス「コダックギャラリー」として発展した。商用インターネットの成長と発展を知り尽くした豊富な起業経験を生かし、現在は20以上ものインターネットサービス企業、モバイルサービス企業、ソーシャルベンチャーへの経営指導や投資活動にあたっている。カリフォルニア州ナパ在住。

ガンスキー 私は、テクノロジー業界のアントレプレナーとして、これまでいくつもの企業を立ち上げてきました。こういう仕事をしていると、自然とテクノロジーの観察者になるものです。

 どんな新しいテクノロジーが出てきたのか、そのマーケットは何か、人々の関心はどの程度か、そのテクノロジーによって新しいサービスが提供されるのか、それとも古いものが新しい方法で提供されるのか、といったことを分析するようになるのです。

 1999年にオフォト(現コダックギャラリー)という写真シェアリングの会社を起業した時(後にコダックに売却)、物理的なビジネスだった写真がデジタル・テクノロジーによってすっかり変わり、しかも人々が結婚式や休暇などの人生のイベントの記録を共有したいのだということが分かりました。

 デジタルにアクセス可能にしておけば、その写真を好きな時に見られる、それが大人気を呼んだのです。

 その後、写真だけでなく音楽、映画も、アップルのiTunesなどを利用することでわざわざCDやDVDを買わなくても、好きな時に楽しめるようになった。今や、モバイルやGPS(全地球測位システム)などのテクノロジーのおかげで、他にもいろいろなものを簡単に安価に探し出せるようになりました。

 そこで考えたのです。さて、そうすると我々はモノを所有する必要があるのか――と。リサーチが始まったのはここからです。

考えてみると、都市というプラットホームも共有されるべく計画

――『メッシュ』では、テクノロジーのプラットホームを利用することで、個人や企業が共有できるモノやサービスの多様な例が出てきます。好例がカーシェアリングですね。

メッシュ すべてのビジネスは<シェア>になる』リサ・ガンスキー著 実川元子訳 (徳間書店 1600円+税)

ガンスキー 考えてみると、都市というプラットホームも共有されるべく計画されてきました。道路や公共交通機関、ホテル、アパート、レストラン、公園、警察、消防署など、すべて人々が必要な時にアクセスするためにある。この世界において共有はかなり長い歴史があるわけで、むしろ所有することへの執着は一体いつから始まったのかと考えざるを得ません。

 例えば、アメリカやカナダ、ヨーロッパでは、個人が自家用車を利用するのはたった8%だけです。自動車は高い買い物なのに、あとの92%の時間は使われないままに放置されている。その上、車を持っているとメンテナンスにお金もかかり、街では駐車に苦労し、交通違反をすれば罰金も払わされます。

 ところが、カーシェアリングのサービスを利用すれば、便利でストレスは少なく、満足感も大きい。それならば、所有する代わりに必要な時にアクセスすればいいのです。

企業ではどんな例がある?

――企業のビジネスでは、どんな例があるのでしょうか。

ガンスキー これまでは一企業が垂直統合してきたさまざまな機能を共有する例がたくさんあります。工場やテクノロジー、配送センターや顧客サービスセンター、特定のチームなどに及んでいます。

 物理的なモノと情報のインフラを共有して無駄をなくし、最大限の利益を生み出すアプローチで、「イールド・マネージメント」と呼ばれているものです。DHLやUPSなどの配送サービス、日本にも出てきたP2P(ピア・ツー・ピア)型の金融業なども、そうした例に入ります。

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「「使い捨て」より「借りぐらし」がいい!」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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