「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」

ダウンサイジングへの障壁は奥様
カッコつけなきゃ軽で十分

第81回:ダイハツ工業 ムーヴ 【ユーザー編】

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2011年3月3日(木)

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 みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。

 今回ははじめに“特定の読者”お2人にお礼を述べさせて頂きます。
 バレンタインデーのエアーチョコ騒動で、エアーでなくリアルを本当にお送り下さった奇特な方がいらしたのです。

 Y様。コメント欄で予告いただいた豆落雁。おいしゅございました。落雁を食べたのは実に20年ぶりのことでございまして。新鮮な驚き、というのでしょうか、和菓子の良さを再認識した次第であります。焙茶を飲みながらイッキ食いいたしました。ありがとうございました。
 また、大変な力作である手作りの特大ガトーショコラをお送り下さったA様。ハートで埋め尽くされた箱を開けた時には本当に驚きました。なんと申しますか、イヤ〜(^^ゞという感じであります。嬉しゅうございました。
 今後とも当「走りながら考える」をご贔屓のほど、よろしくお願い致します。

 何でも“当たり年”というのはあるものでして、今年はチョコの……とまあ惚気話はこの辺にして本題に入りましょう。今回お送りするのはダイハツ工業「ムーヴ」のユーザーインタビューです。前回の試乗編でも申し上げましたが、軽自動車は圧倒的に地方で売れています。もちろん都内で見かけることもありますが、その多くはマンションの巡回管理とかコンビニのスーパーバイズなどで使われる“商用車”です。ですから一般ユーザーがご利用になる“乗用車”で、しかも発売されて間もないムーヴの新型を見つけ出すのは非常に難しい。
 以前、スズキの「ワゴンR」を特集した際は、たまたまコンビニの駐車場に止めてあるのを見つけて、突撃インタビューを敢行したのですが、今回はいけません。いくら走り回っても見つからない。それではと都下のコンビニに出張って、1時間近くも立ち読みをしながら(コンビニの雑誌売場は駐車場側を向いているので都合がいい)網を張っていたのですが、1台も入ってこない。旧型ムーヴはそれこそ何台も来店するのですが、新型が来ないのです。
 やれやれ今回はボウズか……とすっかり諦めて買い物に出かけたところ、遂に見つけました!環八沿いにあるクイーンズ伊勢丹世田谷砧店。ここの3階に位置する駐車場で、いかにも“様子の良い”紳士が新型ムーヴに乗り込もうとしているではありませんか!締切り間際(なにしろお見掛けしたのが日曜の夜でしたから)。ここを逃したらもう二度とチャンスはありません。失礼を承知で声を掛けさせて頂きました。
 以下、ダイハツ新型ムーヴのオーナー突撃インタビューです。

*   *   *

フェルディナント(以下、F):あの、大変失礼ですが、このおクルマのオーナーの方ですか?少しお話を聞かせて頂きたいのですが……。

 その紳士は一瞬怪訝な顔をしたものの、バゲットが頭を出した紙袋を丁寧に席に置くと、ニッコリ微笑んで、「どうぞ」と言って下さった。

F:お帰りになるところだったのですね。私はフェルディナント・ヤマグチと申します。実はクルマに関する記事を書いておりまして、失礼を承知で声を掛けさせて頂きました。

「TNP」を消費者の頭に刷り込んだダイハツ工業のムーヴ(写真は試乗車です。S氏のものではありません)
画像のクリックで拡大表示

ムーヴのオーナー(以下、S):そうでしたか。私はまた車庫入れの際に失礼があったのかと思い、ひやりとしてしまいました。立派なクルマに乗っておられるから。

F:いえいえ、そんな……驚かせてしまい、失礼しました。今回は、今お乗りになっていらっしゃるダイハツのムーヴを特集しているのです。実際に乗っていらっしゃるユーザーの方の声を聞きたかったものですから……。

S:そういう事なら喜んで協力しましょう。私は軽自動車の推進派です(笑)。

アスコットタイの紳士は「軽」推進派

 その紳士は休日であるのに、キチンとジャケットを羽織っていらっしゃった。首元にはアスコットタイが巻かれ、プレスの効いたパンツをはかれている。このままホテルへ食事に出かけても何ら問題のないような格好だ。
 私はといえば、穴の開いたジーンズに、薄汚いパーカーを被っている。もう20年以上も着ていて、袖口がほつれてしまったボロボロの年代物だ。

F:軽自動車の推進派、と仰いましたが、軽自動車にはずっと……?

S:いえ、実はまだこれで2台目です。この前にはワゴンRに乗っていました。買ってからちょうど3年。車検がきたのでそれを機に買い換えた、という訳です。

F:ワゴンRからムーヴに。軽自動車の2大巨頭を制覇された訳ですね。

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フェルディナント・ヤマグチ

フェルディナント・ヤマグチです。皆様と同じようにビジネスの最前線で仕事をする傍ら、アチコチの雑誌で連載を持っています。つまりクルマ業界に接してはいますが、本業ではない。首まで浸かっていない故、かえってギョーカイのシガラミや仕来りを超越して、好き勝手なことを書き倒すことが出来る微妙且つナイスなポジションに立っています。もちろん皆様と同じように昔からクルマが大好きで、学生時代はかなり無理をして懸命にクルマを購入したクチでして、一番最初に買ったのは、初代RX-7でした。最後は青山墓地の前で追突され大破してしまいましたが、あれは良いクルマでした。本業はかなり堅い会社で管理職を務めるリーマン稼業なものですから、顔出しNG&ペンネームで失礼いたします。や、そう警戒なさらないで下さい。決して怪しい者ではございませんので。



このコラムについて

フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

 この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。
 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。

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