「人生の諸問題」

「フンコロガシ」の視点で見たネットの「生態系」って?

シーズン3・24歳年下のIT論客に聞く その1 ゲスト 濱野智史さん(情報社会研究者)

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2011年3月28日(月)

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 今回からは小田嶋隆さんと濱野智史さんの対談シリーズです。大学で情報社会論という専門分野を勉強したという濱野さんは、インターネットの世界を「アーキテクチャ」という概念で捉えた著書が高く評価されている若手の論客。

 対する小田嶋さんとは、親子ほども年の差がありますが、お二人ともゲームとインターネットに造詣が深いという共通項があります。

 お二人にネットと日本人、また「ツイッター」や「ミクシィ」、「フェイスブック」といったSNSについて存分に語り合っていただきました。アプローチの方法は違うとはいえ、お二人の会話で「鳥の目」で見たネットの世界を見てみてください。

濱野 智史(はまの・さとし)

1980年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院・メディア研究科修士課程修了。専門は情報社会論。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員を経て、現在は、インターネット関連コンサルタントの「(株)日本技芸」でリサーチャー。主にウェブサービスにおける情報環境の分析や、ネットユーザーの実態調査を行う。著書『アーキテクチャの生態系』で第26回テレコム社会科学賞・奨励賞を受賞。(写真:陶山勉、以下同)

―― 濱野智史さんのご著書『アーキテクチャの生態系 情報環境はいかに設計されてきたか』(NTT出版・2008年)が、大変高い評価を得られています。難解揃いのIT関連本の中ではダントツに分かりやすく、スマートで、インテリジェントである、と私たち出版人の間でも評判で。(「日経ビジネスオンライン」では、「SAMURAI」のマネージャー、佐藤悦子さんも、現代のビジネスパーソン必読の書として強く薦めておられます(「オトコらしくない〜」佐藤悦子の10冊編)。)

濱野 いや、ありがとうございます。恐縮です。

小田嶋 2000年以降にネットの世界に起きたさまざまな事柄は、わりと初期からネットに入り込んでいた俺なんかにしても、ぱらぱらと断片的にしか見えていないのですが、それらをちゃんと系統立て、整理してくださっていて。いや、とても参考になりました。

―― しかも濱野さんは、1980年生まれだという。

濱野 そうです。

小田嶋 1980年というと、俺、もう大学を出ようかというぐらいで。

―― うーん、一回りどころか、すでに二回りも下ということで(笑)。

小田嶋 大変なことだよね。

―― そのギャップが今回の対談の1つのテーマになるのでありましょうし。

濱野 いえいえ、そんなギャップなんて。

―― ざっと話の流れに関する希望を申し上げますと、ご本に書かれているように2000年以降、インターネットという情報環境の上に、グーグル、ブログ、2ちゃんねる、ミクシィ、ニコニコ動画など、いろいろなサービスやアクションが起こりました。

濱野 はい。

―― 濱野さんがそれらの現象の分析者である一方で、小田嶋さんは初期のころから書き手、コンテンツ制作者として生身を現場に置いてきた。自分が発言者となることで面白い気分を味わったり、あるいは、ネガティブなコメントにさらされて嫌悪とか怒りとかを感じたり、そういうナマの感情を味わってこられた。

 そんなお立場と経験の違い、クールとナマの違いが、対談でどのように花開くのか期待して、お話をうかがいたいと思います。

濱野 了解しました。

小田嶋 濱野さんの肩書は学者さんになるんですか?

濱野 いや、普段はサラリーマンです、と言うと変ですけれども、ウェブ関連の制作やコンサルティングをしている会社に勤めていまして、そこで調査の仕事をしています。

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著者プロフィール

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト。
1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、ライフスタイルを取材する一方で、時代の先端を行く各界の人物記事に力を注ぐ。『アエラ』『朝日新聞』『日本経済新聞』『日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)』などで執筆。著書に『セーラが町にやってきた』(プレジデント社/日経ビジネス人文庫)、『ほんものの日本人』(弊社刊)、『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論 TOKYO』(集英社新書・隈研吾氏と共著)『「オトコらしくない」から、うまくいく』(佐藤悦子氏と共著・日本経済新聞出版社)など。

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

小田嶋 隆

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。近著に『人はなぜ学歴にこだわるのか』(光文社知恵の森文庫)、『イン・ヒズ・オウン・サイト』(朝日新聞社)、『9条どうでしょう』(共著、毎日新聞社)、『テレビ標本箱』(中公新書ラクレ)、『サッカーの上の雲』(駒草出版)『1984年のビーンボール』(駒草出版)などがある。 ミシマ社のウェブサイトで「小田嶋隆のコラム道」も連載開始。



このコラムについて

人生の諸問題

日本語は今や、ウェブ上で全世界でもっとも流通している言語だといわれるまでになった。しかも、読む人間より、書く人間の方が圧倒的に多いのだという。それほどまでに人々が文章を書いている一方で、相手に何かを伝えることの難しさは、むしろ増えているように思える。「誰もが発信者」、そんな史上初のシチュエーションを迎えた今、いったい私たちの「コミュニケーション」はどこに行くのだろう。広告の世界でクリエイティブディレクターとして活躍する岡康道氏と、コラムニストの小田嶋隆氏が、高校時代の同級生という縁から始まった「伝達」について、ゆるゆると語り尽くす…はずだったのだが?

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