「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」

こんな時だからこそ、
自分の仕事をちゃんとやろう!

番外編:F氏が悟った自分でもできることとは?

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2011年3月16日(水)

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 みなさまごきげんよう。フェルディナント・ヤマグチでございます。

 大変なことになりました。本当に大変なことに。マグニチュード9.0。世界最大級の超大地震です。

 亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された方々、そしてご家族のみなさまに対して、心よりお見舞いを申し上げます。

 テレビを見ていると辛くなります。新聞を読んでいると涙が出てきます。
 しかし目を背けてはいけない。現実をしっかりと受け止めなければいけない。
 なぜか糞の役にも立たない妙な義務感が湧いてきて、同じ映像が繰り返し流されるテレビを夜中まで見ています。それと同時にPCを立ち上げて、さまざまなサイトをサーフィンしています。BBCやニューヨーク・タイムスなど、海外のメディアは、日本のマスコミよりも速報性に富んでいるうえ(福島第一原子力発電所の建屋が爆発した映像も、直後から流していました)感情に流されない冷静に報道がなされているので、非常に有用です。
 しかし、有用である分、文章の表現も、載せている写真も実にストレートです。ですから読んでいくにはそれなりの覚悟が必要です。次々とUPされる情報はどれも絶望的なものばかり。本当に辛い。それでもやはり目を背けてはいけない。

 こんな時に自分はどうしたら良いのか。自分には何ができるのか。
 考えれば考えるほど、自分の無力さを思い知らされます。いても立ってもいられなくなります。こんな“不完全燃焼”の、モヤモヤとした気持ちのまま、日曜日の昼に友人のドクターとブランチをとりました。彼は精神科医で、スポーツ選手のメンタルトレーニングなどもしている、なかなか面白い人物です。

 マッシュルームのオムレツをつつきながら、自分のもどかしい思いを彼に打ち明けてみました。すると彼は如何にも意外そうに「へえぇ」と笑いながら言いました。

「驚いたな。フェルさんがそんなことを考えていたなんて。遊ぶことしか考えていないのかと思ってたよ。でも実際、フェルさんみたいな思いの人は多いよね」

「俺も何かしなくちゃ、ってフツーに思うよ」

「そうだろう。これだけのことが起きたんだもの。俺も何かしなくちゃ、ってフツーに思うよ」

「うんうん。どこかで誰かが困っている。だから助けに行く。そう思う気持ちはとても大切なことだよね」

「でもどうしていいかが分からない。まさか仕事を放っぽり投げて、被災地に駆けつける訳にもいかないし……。今は災害義援金に寄付をするくらいしか思い浮かばない」

「寄付をしたのか。最高じゃない。まあフェルさんにゃ縁遠い話なんだけど、こういう時に自分の無力さを必要以上に悲観しちゃって、メンタルをやられちゃう人が結構多いんだ」

「えぇ?マジで?」

「マジマジ。マジメで責任感の強い気質の人がそうなりやすい。だからフェルさんにゃ縁遠い(笑)」

「ふん。人のことを言えた義理かよ(笑)」

「まあそのへんはお互い様。でも考えてみてよ。いても立ってもいられないと言って、シロートが被災地に駆けつけたところで何ができる?少なくとも自力でビバーク張れる人間じゃなければ行くべきじゃない。ハッキリ言って邪魔になるだけ。新潟の地震があった時もそうだった、“とりあえずっ”て人間が押し寄せて、現地では持て余し気味だったんだ。でも根っこが“善意”だから、迷惑です。来ないで下さいと正面切って断ることもできなかった」

「……うーん……」

「本当にいても立ってもいられないなら、カネを出せば良いんだ。寄付先はいくらでもある。今は便利になって、ネットから簡単に寄付することができるだろう」

「ああ、俺もネットから寄付した」

「なんかポチっとやるだけだから実感が湧かないんだろう。でもそのカネがどんなに役立つことか。こんな非常時だからこそ、先立つモノはやはり必要なんだよ」

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著者プロフィール

フェルディナント・ヤマグチ

フェルディナント・ヤマグチです。皆様と同じようにビジネスの最前線で仕事をする傍ら、アチコチの雑誌で連載を持っています。つまりクルマ業界に接してはいますが、本業ではない。首まで浸かっていない故、かえってギョーカイのシガラミや仕来りを超越して、好き勝手なことを書き倒すことが出来る微妙且つナイスなポジションに立っています。もちろん皆様と同じように昔からクルマが大好きで、学生時代はかなり無理をして懸命にクルマを購入したクチでして、一番最初に買ったのは、初代RX-7でした。最後は青山墓地の前で追突され大破してしまいましたが、あれは良いクルマでした。本業はかなり堅い会社で管理職を務めるリーマン稼業なものですから、顔出しNG&ペンネームで失礼いたします。や、そう警戒なさらないで下さい。決して怪しい者ではございませんので。



このコラムについて

フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

 この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつかりました。どうぞよろしくお願いします。
 なに、“考える”と言ってもそれほど大袈裟なことではありません。クルマはこれからどうなって行くのか。現在売り出されているクルマは何を考え、何を目指して開発されたのか。実際にクルマに乗り、開発者に会ってお話を伺い、販売現場からの声にも耳を傾ける……。ビジネスはビジネスとして事実をしっかりと捉まえた上で、もうちょっとこう明るく楽しくクルマを味わって行こう、というのがこの「走りながら考える」の企画意図です。

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