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備えよ常に『生き残る判断 生き残れない行動』 ~災害時に人の動作は遅くなる

  • 大塚 常好

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2011年5月9日(月)

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生き残る判断 生き残れない行動』アマンダ・リプリー著、岡真知子訳、光文社、2310円

 9・11と、3・11――。

 一方は航空機衝突(テロ)の直後に、高層タワーが崩壊した。もう一方は世界最大級の地震直後に、巨大津波が人々を飲み込んだ。いずれも「ありえない」ことが立て続けに起きた。

 そんな想像を絶するような大惨事に遭遇した時、人はどのように反応し、どう行動するのだろうか。

 東日本大地震から約2カ月。余震や原発問題が続き、復興へ向けた必死の取り組みが始まったばかりだ。人々は、いまだ今回の震災による防災の教訓を得るには至っていないのが実状だろう。

 しかし、「次」に備えるため、できるだけ客観的にリスクへの対処法を知っておきたいと思う。その一心で本書を手にした。

 これは、「タイム」誌のシニアライターである著者が、2001年の9・11テロや2005年8月のハリケーン「カトリーナ」などに遭遇して生き残った人たちにインタビューした本である。

災害時に動作がのろくなるのはなぜか?

 最も興味深かったのは、著者が「九死に一生を得た」要因は何かを多くの当時者に取材する過程で、最初につかんだ意外な事実だった。

 それは、大災害に遭った直後の人々の反応は、総じてひどく「のろま」だということである。著者は書いている。

〈災害時には、ほぼ全員とまではいかないにしても比較的多くの人が、パニック状態とは正反対に目も耳も心も閉ざしてしまいがちである。そういう人たちは動作が鈍くなり、感覚が完全に失われているように見える〉

 例えば、9・11テロで航空機が突っ込んだ時。ワールドトレードセンターにいた人々は、なぜか、いつもよりゆっくりとした行動を取り、我先に階段を下りて避難しようとしなかった。そのため、「2回目」の災害であるビル崩壊に飲み込まれてしまった人が多かったという。

 著者の連邦政府への取材で明らかになったのは、生存者の少なくとも70%が退去しようとする前に、悠長にほかの人と言葉を交わしていたことだった。

〈生存者は何千本もの電話をかけ、テレビやインターネットのニュースサイトを確かめ、友人や家族にメールを送った。多くの人が階段を降りていく途中で一休みしてうろうろしたり、いくつかの階で行き当たりばったりに立ち止まり、ふたたび配偶者に電話をかけたり、もう一度CNNのニュースを確かめたりした〉

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