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権力とセクハラの切っても切れない関係

2011年5月20日(金)

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 国際通貨基金(IMF)の専務理事が性的暴行の容疑で逮捕された。
 事件を伝えるニュースを通じて、私は、IMFトップの肩書きが「専務理事」であるということをはじめて知ったわけなのだが、それはそれとして、IMFと言えば、泣く子も黙る巨大金融権力だ。少なくとも私は黙る。事情が事情なら泣くかもしれない。その世界経済の舵取りを担う国際機関の最上位者たるストロスカーン氏が、どうにも低劣な犯罪容疑で逮捕されたわけだ。なんともお粗末な事件ではないか。

 が、驚くには当たらない。こういう事例は珍しくない。
 セクハラ疑惑、桃色醜聞、ピンクの霧、ハニートラップ、美人局。古来、権力とセックスは水と魚みたいに切っても切れない関係だった。現在でも同じ。今後もおそらく同様だ。権力とセックス。皿と肉。鉄壁のワンセットだ。

 「英雄色を好む」ということわざもある。勘違いしている英雄ワナビーもまた、たくさんいる。
 今回は、権力と醜聞について考えてみたい。

 英雄が色を好むのは、一面において、事実だ。が、実態は、むしろ、「英雄(すなわち権力者)の性的放縦は周囲に容認されがちだ」といったあたりにある。

 セックスだけではない。英雄は美食を好み美衣を好む。土木や骨董書画についても、権力者の欲望はおのずから肥大しがちで、過剰に走る傾きを有している。当然だ。ボスには反対者がいない。経済的な制限もない。とすれば、色好みの英雄が色好みの度合いを増強する運動は、誰にも止めることができない。

 欲望の多寡について言うなら、英雄も凡人も似たようなものだ。大差は無い。好色な英雄もいるが、そうでない英雄もいる。われら凡人においても同断。徒手空拳であっても助平な男は助平だし、淡泊なヤツは淡泊だ。ただ、事情が違うのは、好色な凡夫の多くが、その欲望を存分に果たし得ないのに対して、権力を握った好色漢は、自らの性的野心を野放図に展開することができるといったあたりにある。結果、凡人は性的に控えめな生き方を余儀なくされ、他方、英雄は性的放縦をほしいままにする。つまり、問題は欲望や人格のありようではなくて、「権力」の有無なのである。

 言うまでもないことだが、「英雄色を好む」を、逆方向に援用することはできない。すなわち、どこかの誰かが「色を好む」タイプの男であったのだとしても、そのことを理由に彼が「英雄的な」資質に恵まれた人間であることは証明できないということだ。当たり前だ。そいつはただの助平かもしれない。好色は出世のためのエンジンになる可能性もある。が、同時にそれは、落とし穴に化ける危険性を孕んでいる。明日の風は誰にも予測できない。神のみぞ知る、だ。

 権力と欲望という二つの要素ですべてが決まるのであれば、話は簡単なのだが、世界はそんなに単純な理屈で動いているわけではない。
 実際の世界の運行には、少なくとももうひとつ「才能」という変数が関連している。「魅力」という要素もある。複雑だ。

 たとえば一人の男がいる。
 彼には一定の才能が備わっている。
 雑多な条件や偶然を捨象して考えれば、彼は、その努力と才能(つまり実力)にふさわしい地位に就く。
 と、彼には、地位に伴った権力が賦与され、それらすべて(才能と実力と地位と権力)の方程式の解として、彼には一定量の「魅力」が宿ることになる。
 こうして、彼のまわりには性的な関係が形成される。
 もう少しロマンチックな言い方をするなら、一人の男は、その魅力にふさわしい相手と出会う、というわけだ。まあ、実際にはそんなふうにうまく話が運ぶわけではない。みなさんご存知の通りだ。

コメント37件コメント/レビュー

この記事だけを読むと小田嶋氏は、ストロスカーン氏が普段からIMF専務理事としての権力を用いてセクハラを行っており、今回の事件についてもそうであるとの予断を持って執筆しているように見える。もちろん事実かもしれないが、一般論を持って特定の事件について捜査関係者でもないものが、情報の断片から事実関係について予断を持って断定する危険性を感じる。私の得ている情報では、?ホテルのメイドがストスカーン氏の部屋に入った。?そのとき氏はシャワーを浴びていた。?メイドは裸のストロスカーン氏を見て驚き、後にセクハラを申し立てた。 この流れから、今だチェエクアウトをしていない客室にメイドが容易に入れたことについて疑問を感じずには居られない。 所謂陰謀の可能性があるのではないかと私は思う。氏は、次期フランス大統領の有力候補とも目されており、本事件が彼を大統領選から追い落とす絶好のスキャンダルであることを見れば、こうした視点からの検討も必要ではないかと思う。今回の小田嶋氏の考察には情報の断片のみを用いてストーリーを組み立てる危うさを感じる。(2011/05/21)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「権力とセクハラの切っても切れない関係」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事だけを読むと小田嶋氏は、ストロスカーン氏が普段からIMF専務理事としての権力を用いてセクハラを行っており、今回の事件についてもそうであるとの予断を持って執筆しているように見える。もちろん事実かもしれないが、一般論を持って特定の事件について捜査関係者でもないものが、情報の断片から事実関係について予断を持って断定する危険性を感じる。私の得ている情報では、?ホテルのメイドがストスカーン氏の部屋に入った。?そのとき氏はシャワーを浴びていた。?メイドは裸のストロスカーン氏を見て驚き、後にセクハラを申し立てた。 この流れから、今だチェエクアウトをしていない客室にメイドが容易に入れたことについて疑問を感じずには居られない。 所謂陰謀の可能性があるのではないかと私は思う。氏は、次期フランス大統領の有力候補とも目されており、本事件が彼を大統領選から追い落とす絶好のスキャンダルであることを見れば、こうした視点からの検討も必要ではないかと思う。今回の小田嶋氏の考察には情報の断片のみを用いてストーリーを組み立てる危うさを感じる。(2011/05/21)

昔は英雄は色を好んでいたのでしょうが、今この時代になってそういう人はただのバカですよね。つまり自己管理がなっていないだけの緩い人です。結果してスキャンダルとそれにともなくお金といくらかの人脈を失うのです。真の英雄ではなく、英雄気どりあたりはこれで騙されそうですね。(2011/05/21)

加齢とセクハラの切っても切れない関係もあると思います。特に最近の年寄は自制心がなく、警視庁によると70歳以上の強制わいせつ犯は1998年から2006年で5倍に急増しているそうです。こういうお爺さんは去勢してしまえと思いますね。(2011/05/21)

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