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マジメな人ほど必要な『ちょっと怠けるヒント』 ~カフカ『変身』は定年退職のお父さんの物語

  • 浅沼 ヒロシ

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2011年5月30日(月)

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ちょっと怠けるヒント』松山巖著、幻戯書房、2625円

 科学技術の進歩のおかげで、我々、現代人は100年前には想像もできなかったような便利な社会に生きている。水道の蛇口をひねれば水が出てくるし、冷蔵庫をあければ食糧が出てくる。家に居ながらにして世界中のニュースが集まってきて、以前なら王侯貴族しか味わえなかった歌舞音曲をテレビ受像器で見聞きすることもできる。

 いわば、怠けようと思えばいつでも怠けることを可能にした社会だ。

 しかし、現代人はちっとものんびりした生活を送れていない。便利な道具のおかげで楽ができるはずなのに、かえって忙しさが増している。〈これはヘンだ。人間は怠けるためにさまざまな発明発見をし、進歩してきたはずなのに、怠けるどころか、クタビレテイルと感じている〉

 機械じゃないんだから、たまにはセッカチにならずにちょっと怠けてみてはどうだろう、と提案しているのが本書である。

「あくび指南」の必要性

 ちょっと休むくらいのことは誰でもできそうに思うが、「ちょっと怠ける」となるとハードルが高い。落語にも「あくび指南」という小噺があるではないか。

 知らない人のために少しだけ「あくび指南」を解説しておこう。

 町内の空き家に「あくび指南所」という看板がかかり、老人があくびの仕方を教えはじめる。あくびは風流でなくっちゃならない、と説き、見本を見せた後、何度も弟子にあくびの練習をさせた。

 繰りかえし練習してもうまくできない様子をみていた見学者が、「くだらねえもんを稽古してやがる。待っている俺の身にもなってみろ、退屈で退屈で、ぅぅああ、ああ、ならねえ」とあくびをする。それを見ていた師匠役の老人が、「あの方は器用だ。見ていて覚えた」。

 著者の松山氏は、この落語を紹介したあと、哲学者のことばを引いた。

〈楽天家の哲学者アランはあくびこそ「生命の報復であり、いわば健康の回復のようなもの」(『幸福論』所収「あくびの技術」神谷幹夫訳)といっている。(中略)アランはさらに「あくびはあくびが知らせている眠りと同じように、すべての病気に効能があると思う」と語っている。考えすぎが病気を作り出すことはままあるからだ。ここに「あくび指南」の必要性もあるのだ〉

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