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夢を諦める才能とは?『芸人交換日記』 ~一歩を踏み出したからこそ得られるもの

  • 澁川 祐子

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2011年6月27日(月)

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芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~』鈴木おさむ著、太田出版、1365円

 私は、大学を卒業して就職しなかった。なぜなら、「音楽で食べていきたい」と思っていたからだ。

 カーーーーーッ、恥ずかしい! 当時の自分の青臭さを思い返すたびに、できることなら鼻をつまんでゴミ箱の奥深くにポイっと葬りたい。が、すえた臭いのするゴミ箱に手をつっこむ思いで、恥をしのんで書く。

 ふだんはバイトの日々。メインは週2回のバンドの練習に、月イチ程度のライブ。音源のテープをつくって手売りし、あてもなく夢を見ていた。

 夢から覚めたのは、フリーター生活が1年過ぎた頃だった。

「自分には才能がない」

 そんな当たり前のことに、数年かかってようやく気づいた。ベーシストなのに、リズム感がない。これはリズム隊としては、とんでもなく致命的である。ついには、どんな音楽を耳にしてもベースラインが気になって、全然楽しめなくなってしまった。

 同じように壁を感じていたメンバーと話し合い、バンドを解散した。しばらくは音楽をまったく聴かなかった。いや、聴けなかったといったほうが正しいかもしれない。

 『芸人交換日記』を読んで、あの頃の自分がダブった。

年収85万円のお笑いコンビ

 この小説は、架空の売れないお笑いコンビの物語だ。作者は、お笑い番組をはじめ、様々なテレビ番組を手がける売れっ子放送作家の鈴木おさむ。エピローグを除いて、全編「交換日記」という体裁で綴られている。

 コンビ結成11年目を迎える「イエローハーツ」は、ツッコミの「甲本」、ボケの「田中」がともに30歳。オーディションは連敗。年下の芸人が自分たちを追い越し、どんどん表舞台に上がっていく。その姿を横目で見ながら、営業ばかりの日々。いい年して、年収はたったの85万円。

〈そろそろ見切り付けなきゃいけない年だ。/30歳なのに生活がひもじすぎる。貧しすぎる。/毎日、ご飯にふりかけかけて食ってる自分が情けなくなる。/富士そば行って、カレーのセットを食べてる大学生を見てうらやましくなる〉

 収入は増えずに、年だけどんどんとっていく。切ない。

 この踏んだり蹴ったりな状況を打破しようと、甲本がはじめたのが「交換日記」だった。日頃、面と向かっては言えないことを日記で書いてコンビの絆を深めよう、というワケだ。

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