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『トラブルなう』な編集人生 ~ルールは「一週間で終わらせる」

2011年7月4日(月)

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トラブルなう』久田将義著、ミリオン出版、1050円

「バレたら、雑誌と俺の名前を出しておまえは帰ってこい」

 僕がまだ駆け出しのエロ雑誌編集者だった頃、取材の出掛けに編集長からそう言われたことがあった。取材というのは、いわゆる「潜入ルポ」的なアレ。人脈もネタもない新人は、カラダを張るくらいしかできない。

 そういうとき、編集長の一言は心強かった。もちろん自分の尻は自分で拭きたいけれど、仮にトラブルが発生したとしてペーペーの編集者に収められるか……と一応くよくよしたのち、とりあえず「ボスに迷惑かけるわけにはいかねえ(あと、いいとこ見せたい)」と気合いが入った。

 一方で、エロ出版社を辞めた後に勤めた一般書籍の版元では、社長(であり編集者)から突然「一緒に謝ってくれない?」と言われ、会ったこともない某映画会社のプロデューサーだか何だかに頭を下げに行ったら、いつの間にか現場責任者として矢面に立たされていた。

 同じ編集長(的な立場の人間)でもすいぶん違うんだなと、呆れた。

トラブルは日常茶飯事

 さて、本書は月刊誌『実話ナックルズ』(ミリオン出版)の発行人・久田将義氏が、同誌の編集を中心に、約19年間の編集者人生で抱えてきた数えきれないほどのトラブルの一部と、その対処法を記したものだ。

〈編集者とは恫喝、脅迫、恐喝、暴力、拉致、などに耐えうる者のことである〉

 ページを開けばいきなりコレである。なにせ『ナックルズ』はアウトローに裏社会、事件、芸能スキャンダルからサブカル、都市伝説まで扱うノンフィクション雑誌。アンダーグラウンドのタブーに切り込んでいくがゆえに、暴力団関係者、政治家、“自称”同和団体、企業、文化人などなど、四方八方から抗議の矢が飛んでくる。

「お前の事、絶対に殺したるからなぁ!」
「右翼やってるもんだけど。街宣回すぞ」
「君の逮捕拘束、ありますからね」

 もっとも、『ナックルズ』のネタは確かにセンセーショナルだが、あることないこと書き立てているわけではない。事件記事などは報道として価値あるものだったり、2010年に大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞した『日本の路地を旅する』(上原善広著/文藝春秋)の原型となる連載をしていたりと、一本筋の通った雑誌でもある。

 それでも、裏を取ったうえで、言葉を選び、被写体の顔にモザイクおよび目線を入れるなどして細心の注意を払って記事にしても、相手はその隙を突いてくる。

〈この世界、「安心」という言葉はあり得ない。安穏としてはいられない業界なのである〉

 そういえば、僕が勤めていたエロ出版社でも、ある素人モデルの写真を掲載するにあたりよかれと思って顔と名前を伏せたところ、ご本人から「なんで目線入ってるんですか!? あたしは本名・顔出しでハダカ見られたいのっ!」と想定外の抗議電話がかかってきたことがあった。どこから矢が飛んでくるか分からない。

 話が逸れた。では、著者はこの素人モデルの比ではない威圧的なクレームにどう対応したのか。

 暴力団関係者の場合、多くは「シノギ」や「シマ」、あるいはプライバシーにかかわる記事が発端になるそうだが、どんなに場数を踏んでも怖いものは怖いらしい(そりゃそうだ)。ただ、場数を踏めばある程度はカンが働くという。

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