「千堀の「投句教室575・別館」 飛び込め! かわずくん」

Vol.25 「サラリーマン川柳」と俳句、どこが同じでどこが違う?

川柳はあるあるネタ、俳句は一発ギャグ。

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2011年7月22日(金)

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 蝉は泣かずとも台風はやってくる、歳時記ではそれぞれ夏と秋ですが、書物のとおりにはならない、今年の夏です。

 さて「今回のマッハ575のテーマは「川柳」と「俳句」。同じ575の17音で混同されることもありますが、その根本的な違いとは?「サラリーマン川柳」が、「サラリーマン俳句」ではない理由を語ります。そしてお待ちかね、「金魚」「梅雨」の特選の発表ですよ!

マッハ10.川柳はあるあるネタ、俳句は一発ギャグ。

 日直のボウシータです。

 この連載はみなさんの投稿(投句)で成り立っている。みなさんほんとうにありがとうございます。

 せっかくいただいている投句なのだが、なかには

「これって…どう見ても川柳だよな」

という句がある。

 俳句はもともと俳諧連歌(連句)の発句(1句目)が独立したもので、もともと発句はそれ以降の句(七七、あるいは五七五)とは違ってある種の自律性が求められた。

 具体的には句の途中もしくは最後、1箇所を終止形や終助詞で「切る」。「切れ字」と言われるものはたいてい助動詞終止形か終助詞である。

 句の途中で切れば一句のなかに構造的な切断、ときには飛躍が生じる。句末で切れば「言い切った」感が強い。じつは季語を入れるのも発句以来の特徴で、連句の1句目はその季節のものを題として作るという慣習があったのである。「切れ」の話はいろいろややこしいので、ものすごーく単純な大筋だけ書いてます。私自身よく把握できている自信がない。

 いっぽう川柳は連句中の発句以外の五七五部分(平句)が「付け句」を経て独立したものだ。

 もともと平句には切れや季語は必須ではなく、人間関係のこと、恋のこと、神仏のこと、なんでも入れることができた(ただし連句のどの位置にどのテーマが来るのかについては細かいルールがあるから、好きな主題の句を好きなタイミングでリリースするわけにはいかなかったが)。

 連句の平句部分の発展形である「付け句」というゲームでは、七七がお題として出され、これに合わせる五七五を各自で考えて発想を競うものだったらしい。

 川柳のよしあしの評価は、俳句とは違う観点からおこなうことだろう。少なくとも私には川柳の良し悪しをきちんと言うことはできない。

 それでもやっぱり気になるのか、「笑っていいとも!」や「ペケポン」(いずれもフジテレビ)でゲーム的に取りあげられているのを見るとついコーナーが終わるまで見てしまうことがある。

 川柳というと、短歌や俳句に比べると国語の教科書に載りにくそうな分野だが、企業や団体、自治体などが川柳の公募をすると、たいへんな数の応募があるようだ。第一生命のサラリーマン川柳はそういった川柳公募の代表格だろう。世間的には俳句人口がたいへん多いということになっているが、主催団体公式サイトや《公募ガイド》誌にお題川柳の募集が出た直後の川柳人口は瞬間的にものすごく増えているのではないだろうか。

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著者プロフィール

千野 帽子(ちの ぼうし)

パリ第4大学博士課程修了。京都在住の勤め人・俳人。2004年より休日のみ文筆業。著書に、「東京新聞」連載をまとめた『文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。』『世界小娘文學全集 文藝ガーリッシュ舶来篇』(河出書房新社)、「野性時代」連載をまとめた『読まず嫌い。』(角川書店)、読書漫筆集『文學少女の友』(青土社)。「ミステリマガジン」「ジャーロ」にて連載、また「東京新聞」「讀賣新聞」「SPUR」「Figaro japon」「BRUTUS」「HanakoWEST」「yomyom」「週刊文春」「文藝」「文學界」「すばる」「ユリイカ」「真夜中」「小説トリッパー」「早稲田文学」「ダ・ヴィンチ」「週刊読書人」「別冊宝島」などに寄稿。

堀本 裕樹(ほりもと・ゆうき)

俳人。1974年、和歌山県生まれ。國學院大学卒。俳句結社「河」元編集長。河賞、角川春樹賞、北斗賞など受賞。俳人協会会員。実践女子学園生涯学習センター講師。現在、上野一孝代表の俳誌「梓」同人。月1回、定例句会「いるか句会」開催。詳しくは(公式ブログ)で。ツィッターはこちら



このコラムについて

千堀の「投句教室575・別館」 飛び込め! かわずくん

★自分の枠を越えて生まれるアイデア、唸る言い回し、盛り上がるブレスト、「発想」「表現」「伝達」を、5+7+5=17音で鍛える、それがビジネスパーソンにとっての俳句。★ただし、欠かせないことがある。自分とは違う経験、常識、センスを持つ「他人」だ。★限界以上に削り込まれた字数で「全てを伝えきれない」ことを前提に行われるコミュニケーションの面白さは、他人が自分の句を「自分が考えていた意味とは全く違う受け止め方」をしてくれることにある。★自分の中にあったけれど気がつかなかった意味を、他人が見つけてくれるのだ。★ということで、俳句は一人でやるよりみんなでやるのが一番楽しい。★俳句会の王道を進む若き俳人、堀本裕樹師、師匠を持たずストリートで我が道を歩む千野帽子師、両極端のお二人と一緒に、他人の17音に驚き、自分の17音で感動させましょう。コメント欄で待ってます!

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