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なでしこに群がったテレビの人たちの明日

2011年7月22日(金)

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 なでしこの優勝については、ほかのところに書いたので、ここでは簡単に触れるのみにとどめる。

 優勝は、久々のグッドニュースだった。思い出すたびに笑いがこみあげてくる。こんな気持ちになったのは何年ぶりだろう。私はほぼ半日にやにやしていた。

 が、翌日になってみると、果たして、喜びは半減していた。私の心の中の幸福感があった場所には、おなじみの不機嫌が居座っている。いつものことだ。祭りの後の虚脱。私は無表情になっている。

 静かにかみしめていれば半月は楽しめたはずの余韻を、私たちは、よってたかって台なしにしてしまった。反省せねばならない。選手のみなさんにはサッカーファンを代表して謝罪しておきたい。悪気はなかったのだ。ただ、この快挙を機にサッカーの注目度を確保しておこうという下心があったことは認めなければならない。その、われわれのうちにあったわずかばかりの邪心が、結果として、会見場に芸能レポーターを呼び寄せることになってしまった。無念だ。大きな声で同じ質問を繰り返すあの人たちは、選手の家族や恩師を無遠慮なカメラのエサにしながら、古い優勝から勇気をもらうことをやめようとしなかった。あんなに盛大に勇気をもらわれて、選手たちは無事だったのだろうか。心配だ。この先しばらく、勇気が湧いてこなかったりしたら、それはわれわれの責任でもある。ごめんよ、なでしこ。君たちの花壇を踏み荒らしたのは直接にはわれわれではない。でも、サッカー選手を守るべきわれらサッカーファンが、それをせずに、君たちをカメラの生贄に差し出してしまったことは、何回あやまっても追いつかない失策だった。申し訳ない。

 せめて、なでしこの面々が、今回の経験を通じて、スターダムにともなう不愉快な側面に触れたことが、長い目で見て成長の糧となってくれることを祈りたい。何事も経験だ。次に同じことがあったら、その時は、ぜひ冷ややかな黙殺を発動してくれ。なあに、ほんの半歩のフェイントでハイエナは穴に落ちる。慣れればなんでもない。不器用なマーカーと同じだ。

 そうこうしているうちに、地上アナログ放送の停波の刻限が目前に迫っている。
 今回は、テレビの話をしようと思っている。

 私自身は、震災直後のテレビ漬け生活から一転、半月後にはほとんどまったく画面を見なくなった。
 たぶん、アタマが疲れきってしまったのだと思う。
 以来、視聴時間は、徐々に回復しつつあるが、震災前の水準には遠く及ばない。
 以前は、特に視聴していなくても、部屋の空気をやわらげるぐらいな意味で、テレビをつけていた。が、この春以来、見ない番組はつけないようになった。まあ、当たり前の態度ではあるのだが。

 で、この度、なでしこ関連で集中的にテレビを視聴してみて私が感じたのは、テレビという枠組みの、おどろくべき劣化ぶりだった。
 なんというのか、アラばかりが目立つのだ。

 習慣としてテレビを眺めていた頃は黙って見過ごしていた些細な欠点が、許せなくなっている。ということは、変化は、テレビの側にではなくて、むしろ私の感受性の側に起きていたわけで、実態としては、私の視聴態度から寛大さが失われたということなのだと思う。

 でも、だとしても、現状のテレビが、「テレビ漬けの人間にしか許容できないタイプのノイズ」をかなり盛大に含んでいることは確かだ。そのノイズは、今後、テレビそのものの命取りになるかもしれない。というよりも地デジ化を契機に、テレビのノイズは、致命的な水準に増幅されるはずだ。というのも、高品位な画面で見る下品は、低品位な画面で供給されていた下品より、さらに下品に見えるからだ。とすれば、テレビに明日はない。明後日ならもしかするとあるかもしれないが。

コメント56件コメント/レビュー

テレビに対してはすべての人が何かしらの不満を持っているものだと思います。その不満は千差万別です。bpoの視聴者の意見を見たことがありますか?ハッキリ言って悪質クレーマーと変わらないことが平気で載っています。作っている側にしたら視聴者の意見なんかもはやクレーマーと変わらないのだと思いますね。テレビ見ていて取材者に配慮の足りない言動や対応、最近だと澤選手の私生活を赤裸々に報道するのはどうかと思いました。人のいやらしい部分が剥きだしで出ると不快に感じますがそれを隠した所で今度は偽善的で軽薄に見えたりするものではないでしょうか? 特に小田嶋さんは・・・要はバランスでありその空気を感じ取れるセンスだと思いますが、すべての人間が持っているものではないのでセンス抜群自称炭鉱のカナリヤの小田嶋さんには特に不快に感じることでしょう。対処法としてはワイドショー系やスポーツ報道系は一日一番組にしてはどうでしょうか?単純にテレビの見過ぎですね。一般の人はそんなに見てないですからね。(2011/07/25)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「なでしこに群がったテレビの人たちの明日」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

テレビに対してはすべての人が何かしらの不満を持っているものだと思います。その不満は千差万別です。bpoの視聴者の意見を見たことがありますか?ハッキリ言って悪質クレーマーと変わらないことが平気で載っています。作っている側にしたら視聴者の意見なんかもはやクレーマーと変わらないのだと思いますね。テレビ見ていて取材者に配慮の足りない言動や対応、最近だと澤選手の私生活を赤裸々に報道するのはどうかと思いました。人のいやらしい部分が剥きだしで出ると不快に感じますがそれを隠した所で今度は偽善的で軽薄に見えたりするものではないでしょうか? 特に小田嶋さんは・・・要はバランスでありその空気を感じ取れるセンスだと思いますが、すべての人間が持っているものではないのでセンス抜群自称炭鉱のカナリヤの小田嶋さんには特に不快に感じることでしょう。対処法としてはワイドショー系やスポーツ報道系は一日一番組にしてはどうでしょうか?単純にテレビの見過ぎですね。一般の人はそんなに見てないですからね。(2011/07/25)

「CM見ても買うことない」とコメント↓した者ですが、CM自体はおもしろいと思うものが結構あるし、商品も魅力的に見えたりします。でも、実際は、食品や日曜消耗品などは、添加物だらけだったり遺伝子組み換えだったりして最初から選択肢からはずれているものが多かったりします。車や家電等既にあったり不必要なものばっかり。結局CMしていない商品の方が自分の好みに合うものばかりなのです。ちなみにうちは地デジ化してないので、テレビ見られなくなりました。コンセントも抜いちゃってなんだかスッキリ。省エネにもなりました♪しばらくこれで様子を見るつもりです。(2011/07/25)

テレビを見なくなってすでに10年以上になる私からみてテレビ業界はまだまだ大丈夫に思える。なぜならテレビは下品だ、劣化してきた、テレビに明日はないといいながら結局テレビを消せない視聴者ばかりだから。小田嶋さんは今後もテレビを捨てられない日々を送るだろう。死ぬ瞬間までテレビを見続ける人生を送ることになると予言しておこう。小田嶋さんがテレビについて語ってるうちはまだまだテレビ業界は安堵であるサイン。小田嶋さんがテレビについて一切触れなくなった時、その時が本当にテレビに明日がなくなった時でしょう。(2011/07/24)

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