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ここで今、原発映画を上映する理由

自主規制された作品、話題作が福島に集結中

  • 藍原 寛子

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2011年8月3日(水)

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 東日本大震災で起きた原発事故以来、福島県民は放射能、放射性物質の問題を何とか克服しよう、克服したいと奮闘している。放射能は目に見えないが、線量計で土壌を計ってみれば確かに、しかし残念ながら、数字は放射能の広範な汚染を示し、放射性物質の存在を教えている。今もこれからも、「目に見えない敵」と、ずっと戦っていかねばならない。

 先が見えない状況の中、「映画を通じて、福島から未来を考え、何らかのメッセージを送りたい」と、原発や放射能汚染を描いた映画を集中的に上映する“福島発・未来行き”の2つの映画イベントが福島市内の独立系映画館「フォーラム福島」(阿部泰宏総支配人)で開催・企画されている。

 1つは同館主催で写真家・映画監督本橋成一さんのドキュメンタリー2部作、役所広司主演『東京原発』などを順次上映する企画「特集・映画から原発を考える」。

 もう1つは8月10日から5日にわたり、原発に関するドキュメンタリー映画8本とゲストトークのイベント「Image. Fukushima(イメージ福島)」。

 福島県郡山市出身の映画評論家、三浦哲哉さんを実行委員長に、社会学者で『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』著者の開沼博さん、総支配人の阿部さんら、福島市民と福島出身の在京者らボランティア約20人による実行委員会が企画した。

映画が描いた原発や放射能汚染の世界は?
映画界でも起きていた「自主規制」とは?
今、福島で原発関係の映画を集中的に上映する意義は?
映画が描いた未来の視座は?
いったい、私たちはどんな未来に向かって歩いていったらいいのか?

 阿部さん、三浦さん、開沼さんに話を聞いた。

映画でも起きた「自主規制」

 「特集・映画から原発を考える」は、『100,000年後(10万年後)の安全』『黒い雨』(すでに終了)、映画監督本橋成一さんのチェルノブイリドキュメンタリー2部作『ナージャの森』(同)、『アレクセイと泉』(8月5日まで)。続いて8、9月にかけて、原発の事故隠しや自治体の対応、エネルギー問題などを描き、公開も危ぶまれた役所広司主演の問題作『東京原発』、原発事故が1人の女子高校生に与えた深く重い影響を描くドイツ映画『みえない雲』など、原発事故後に注目される話題作を上映。

2つの原発映画上映イベントが企画されているフォーラム福島(福島市)

 以後も『祝(ほうり)の島』(纐纈あや監督)、今年のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞受賞作で、原発事故の影響で障害を持って生まれた子どもたちの衝撃の事実をとらえた『チェルノブイリ・ハート』、福島県出身の映画監督千葉茂樹氏の構成・演出による福島第一原発のドキュメンタリー映画『あしたが消える―どうして原発?』なども検討している。

 「Image. Fukushima」は、鎌仲ひとみ監督の『ミツバチの羽音と地球の回転』『ヒバクシャ―世界の終わりに』や、震災後、最も早く製作・公開されたドキュメンタリー『無常素描』など。芥川賞作家で僧侶の玄侑宗久さん、鎌仲さん、前福島県知事佐藤栄佐久さんらがゲストトークで登場する。

 この中で、『東京原発』(2002年)、『みえない雲』(2006年)は、封切り当時、全国的にはほとんど上映されずに「封印」されたような作品。フォーラム福島は、独立系映画館として上映したが、全く観客が入らず、興業的には失敗だった。ところが3・11後、これらの作品は上映会やDVDに関する問い合わせもあり、関心を集めている。

 なぜ、原発をテーマにした映画が作られていながら、全国では、ほとんど上映されなかったのか。上映しても失敗だった理由は?

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