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「日本もインドネシアも変わりはありません」

日本の会社で働くムスリム1

  • 佐藤 兼永

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2011年8月23日(火)

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 今回から数回にわたって、日本で暮らすムスリム(イスラム教徒)を個別に紹介する。

 インドネシア人のソリハ・ヌール・ヒダヤティさんは、古河電気工業の経理部財務課に勤務して2年目になる。高校生の時に交換留学生として初めて日本で暮らしたソリハさんは、インドネシアに戻り高校を卒業すると、再び来日した。日本語学校を経て大学に進学し、マーケティングを専攻。卒業後はインドネシアの日系企業に就職することも考えたが、日本に残る選択肢を選んだ。

 日本国内での就職を選んだのは、その方が、より実践的なビジネス日本語を習得できると考えたからだ。それに先進国の知識や働き方を吸収したいという思いもあった。日本で就職することで、自分のキャリアアップのための様々なチャンスを手に入れられると考えたわけだ。そんなソリハさんが会社を選ぶ際に最も重視したのは、彼女のムスリムとしての宗教的なニーズを会社が理解してくれるか否かという点だった。

 「(イスラム教について会社が理解してくれるかどうかは)重要でした。一番と言っていいほど。なかでも、お祈りができるかどうかがポイントだと思いました」

 もし「社内で礼拝するのを控える」ことが条件だったら、「入社は辞退していただろう」とソリハさんは語る。

お祈りできることが一番大事

 ただ、実際にはそのようなことにはならなかった。彼女は入社以来、勤務時間中の礼拝を東京の丸の内にある本社オフィス内の一室で行っている。この部屋は礼拝専用の部屋ではない。会社のカタログを保管する棚が並んでいる。他の社員もいつでも自由に入室することができる。ただ、実際にはあまり人が来ないので、礼拝には好都合だという。ソリハさんは、棚と棚の間のスペースを使ってお祈りをしている。

 ソリハさんはまた、髪の毛だけでなく首筋も覆うスカーフを被って勤務している。アラビア語ではヒジャーブ、インドネシア語ではジルバブと呼ばれるものだ。彼女は、50枚以上持っているスカーフのなかから仕事にふさわしい落ち着いた感じのものを選んで会社に着てくると言う。

古河電気工業に勤めるソリハ・ヌール・ヒダヤティさんは、経理部財務課で有価証券の管理や会計処理、送金の手配などを行っている。入社2年目のソリハさんはまだ独り立ちしてはいないが、取引先の担当者に一人で応対することもあると言う。
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 食事の面でも心配はない。普段の昼食は、弁当を作って持って来るので問題にならない。職場の人たちと食事に行く時や、会社の忘年会なども問題ない。ソリハさんには食べられないものがあり、お酒を飲めないことを、周りはよく分かっているので、改めてその場で周知させる必要はないという。ソリハさんとしては周りの日本人との交流にも努めているが、食事やお酒の禁忌は守りたいので、このような配慮は欠かせない。

 去年の夏に初めて断食月を向かえた時には、当時の上司が彼女の健康を非常に心配したという。「『もし倒れたらどうするの? 水飲ませていいんですか?』と聞かれて…」(ソリハさん)。小さい頃から断食をしてきて身体が慣れているソリハさんとしては、そのような「自分にとっては全く考えられない質問」をされることが驚きだった。

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