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Vol.28 自分が何を見ているのか、実はなかなかわからない

題材の「眼目」を絞り込むところから、詩情は生まれてくる

  • 千野 帽子,堀本 裕樹

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2011年8月19日(金)

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連載管理人A(以下A) 連載開始後初めての一週間のお休みをいただいたかわずくん、今週は堀やん先生の登場です!

 お休みの間も句会をされて研鑽に余念のない堀やん先生、上野桜木で行われた「納涼火鉢カフェ句会」、お疲れ様でした。

堀本裕樹(以下堀) いえいえ、築100年以上という日本家屋でひやしあめやびわ茶をいただきながら行う句会も格別でしたね。

A:冷房は氷柱(ひょうちゅう)と団扇だけ! 大きな座卓を囲んだ句会は、ちょっとした夏合宿みたいでした。

:軒下に風鈴を下げて庭に打ち水をして(どちらも兼題)…贅沢な句会でした。

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A:さて、「一次予選突破まであと一歩!」の句にアドバイスをいただく選句物語、今回は、兼題の「夕焼け」にこんな句が来ていました。

夕焼けの理屈知らぬがメール打つ

わん

 わかりやすいような、そうでもないような…??

:ちょっとわかりにくいですよね。それは、読み手がどこを眼目にして解釈していいのか、はっきり判断できないからだと思います。

A:強烈な言葉ですね。眼と目をあわせてガンモク~。

:(スルー)眼目はよく「選句物語」で使われる言葉ですよね。
 この句の肝心要は、どこにあるのかということなんですが、たとえば、

水を飲む馬は耳より夕焼けて

ながさく清江

という句は、説明せずともわかると思いますが、首を深く垂れて水を飲んでいる馬は、耳から夕日に染まっていくよという内容ですね。

じゃあ、この句の眼目は? と訊かれたとき、どう答えますか?

A:耳…のところですか?

:そう「耳より」の措辞ですよね。大きな馬が水を飲んでいるんだけど、その中でもとりわけ「耳」という馬の顔の部位に焦点を絞って詠んでいるところが、眼目に値するわけです。「水を飲む馬は」は、8音で句またがりですね。

A:「みずをのむ」までで5音、「うまは」で3音ですね。

:そうです。本来、5音、7音と詠むところを、5音を3音超えて、8音になっている。上五から中七へと言葉が(音が)跨いでいるわけです。だから、句またがり。俳句の一つのレトリックですね。

 最初にこの句は、「水を飲む馬は」と馬の全体を見せています。そして、ぐっとそこから視点を絞り込んで「耳より」と、カメラをズームアップすることで、読み手の視線も誘導していくんですね。その誘導に伴う視覚の転換を、読み手は楽しむわけです。そこに詩心を見いだすんですね。この句の場合、夕焼けの季語を通して、馬の美しさを再発見すると言い換えてもいいでしょう。

 情景としては、ただ馬が水を飲んでいるだけ。何でもないといえば、何でもない。しかし、何でもないことをどう詠むか、どんな視点・角度で詠むかで、そこに詩が発生するかどうかが決まるのです。「俳句は詩である」ということを念頭に置いてほしいと思います。

A:視覚を転換することでポエジーが発生したのですね。

:さて、眼目ということで、例句を取り上げましたが、元に戻って具体的に掲句を見てみると、まず「夕焼けの」の「の」が少し曖昧かなと。

A:どこが曖昧なのでしょう?

コメント6件コメント/レビュー

真似したくなる人のゐる晩夏かな 廣島屋(2011/08/25)

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