「千堀の「投句教室575・別館」 飛び込め! かわずくん」

Vol.29 女子大生が6週間で作った俳句に驚こう

言葉を内に捜す第一段階、外に出る第二段階、そして第三段階は…

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2011年8月26日(金)

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 乾物や製菓材料を多く扱い、10月下旬オープンのルミネ有楽町店にも出店するという店が近隣にあります。棚の多くを占めるのが豆です。藤豆、刀豆、ササゲ、小豆、大豆…「豆」は秋の季語なのだそうで、そういえば袋に「新物」ってシールが貼ってあります。乾物店でも季節を感じるようになれば、一人前のかわずくんですよ〜。

 今回は、「マッハ575」12回と、兼題「夏休み」「夕焼け」に寄せられた句の選評を公開しますよ!

マッハ12.自分のなかの言葉は全員同じ。
自分の外にある言葉は無限。
「京都マッハ」をやって確かめたこと(1)

 日直のボウシータです。

 ある美術大学で1か月ほど、大学1年生相手の俳句のワークショップ「京都マッハ」というものをやってみた。人数は8人でスタート、3人が脱落、2人が途中参加。最終的には7人が残った。

 形式は互選句会。ひとり4句投句して、私(投句しない)を含む全員で選句し、コメントする、という形式。これを6週間やった。

 このときのことをきょうは書いてみます。

 歳時記は価格の面を考慮して、『今はじめる人のための俳句歳時記』(角川文庫)を推奨したが、なかには家族のだれかが持っていた稲畑汀子編『ホトトギス季寄せ』(三省堂)などという渋めのものを持ってきた子もいた。これと電子辞書の国語辞典を持参して句会が始まる。

 最初の3週間は、俳句らしい俳句というのがあまり出てこない。それはまだ彼らが、自分のなかにある言葉で俳句を作ろうとしているからだ。

 自分のなかにある言葉とは、自分が制御できる言葉のことだ。自分の意図にある程度忠実であって、その言葉で自分がなにを言おうとしているのか、自分ではよくわかっている(意図したとおりの意味で他人に伝わるかどうかはべつなのだが)。再三言うとおり、人間のなかにある言葉などたいてい同じなのだ。まして、同じ時代に同じような年齢で生きていたらなおさら同じ。

 そこのところでほとんどの子が派手に壁にぶつかった(第1段階)。「こういう内容を言いあらわそう」と考えて、その内容にそった言葉を捜そうとしてしまうのだ。その内容のほうを変える、という頭がないものだから、できあがった俳句はうまくいったばあいでも意味が全部わかりすぎの、読み手としては「で?」っていうしかない俳句(以下「でっていうポエム」)か、たいていは舌足らずで意味不明なボケボケフレーズ(俳句になってない)になってしまう。

今はじめる人のための俳句歳時記』、角川文庫、780円(税込)
ホトトギス 季寄せ 第三版』、稲畑汀子 編集、三省堂、2520円(税込)

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著者プロフィール

千野 帽子(ちの ぼうし)

パリ第4大学博士課程修了。京都在住の勤め人・俳人。2004年より休日のみ文筆業。著書に、「東京新聞」連載をまとめた『文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。』『世界小娘文學全集 文藝ガーリッシュ舶来篇』(河出書房新社)、「野性時代」連載をまとめた『読まず嫌い。』(角川書店)、読書漫筆集『文學少女の友』(青土社)。「ミステリマガジン」「ジャーロ」にて連載、また「東京新聞」「讀賣新聞」「SPUR」「Figaro japon」「BRUTUS」「HanakoWEST」「yomyom」「週刊文春」「文藝」「文學界」「すばる」「ユリイカ」「真夜中」「小説トリッパー」「早稲田文学」「ダ・ヴィンチ」「週刊読書人」「別冊宝島」などに寄稿。

堀本 裕樹(ほりもと・ゆうき)

俳人。1974年、和歌山県生まれ。國學院大学卒。俳句結社「河」元編集長。河賞、角川春樹賞、北斗賞など受賞。俳人協会会員。実践女子学園生涯学習センター講師。現在、上野一孝代表の俳誌「梓」同人。月1回、定例句会「いるか句会」開催。詳しくは(公式ブログ)で。ツィッターはこちら



このコラムについて

千堀の「投句教室575・別館」 飛び込め! かわずくん

★自分の枠を越えて生まれるアイデア、唸る言い回し、盛り上がるブレスト、「発想」「表現」「伝達」を、5+7+5=17音で鍛える、それがビジネスパーソンにとっての俳句。★ただし、欠かせないことがある。自分とは違う経験、常識、センスを持つ「他人」だ。★限界以上に削り込まれた字数で「全てを伝えきれない」ことを前提に行われるコミュニケーションの面白さは、他人が自分の句を「自分が考えていた意味とは全く違う受け止め方」をしてくれることにある。★自分の中にあったけれど気がつかなかった意味を、他人が見つけてくれるのだ。★ということで、俳句は一人でやるよりみんなでやるのが一番楽しい。★俳句会の王道を進む若き俳人、堀本裕樹師、師匠を持たずストリートで我が道を歩む千野帽子師、両極端のお二人と一緒に、他人の17音に驚き、自分の17音で感動させましょう。コメント欄で待ってます!

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