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『突然、僕は殺人犯にされた』がネットの未来を切り開く ~もはやネットはバーチャルの世界ではない

2011年8月30日(火)

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 「千葉の製油所のタンクが爆発して有害物質を含んだ雨が降る」「放射能はイソジンを薄めて飲めば防げる」。こんなデマが東日本大震災以降ネット上で飛び交った。

 かつて2ちゃんねるの管理人だったひろゆき氏は「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と発言していた。しかし、ここ数年で驚異的な速さでインターネットは普及し、嘘を見抜けようと見抜けまいと、あらゆる人にとってネットが欠かせないツールとなってしまった。

根拠なき誹謗中傷

突然、僕は殺人犯にされた ~ネット中傷被害を受けた10年間』スマイリーキクチ著、竹書房、1365円

 このスピードにネットリテラシーの浸透は追いつかず、上記のような震災時のデマだけでなく、根拠のない誹謗中傷が今まさにネット上に溢れている。お笑い芸人スマイリーキクチの著書『突然、僕は殺人犯にされた』は、そんなデマによって起こった誹謗中傷との10年間の戦いの記録だ。

 話は1999年に始まる。ある日打ち合わせで所属事務所に訪れたキクチが、マネージャーから事務所のホームページに設置された掲示板の書き込みを見せられた。そこにはキクチに対する罵倒の言葉が並んでいた。詳しく聞くと、2ちゃんねる上でキクチが十年以上前に起きた殺人事件の共犯者だと話題になっていたという。

 もちろんこれは根も葉もない噂。キクチがその事件と犯行グループと同年代で、足立区出身、元不良という共通点だけで共犯者扱いされてしまったのだ。

 「スマイリー菊地。許さねぇ、家族全員、同じ目に遭わす」「スマイリー鬼畜は殺します」と、現在では殺害予告で逮捕されるような書き込みまであったため、所属事務所は二度にわたり噂を否定した。しかし中傷が収まる様子は一向になかった。

 対応に困ったキクチはネットから距離をおくことでやり過ごすことにした。しかし2005年、事態が急変する。発売されたある本にキクチが疑われた事件についてこんな記述がされていた。

「犯人の一人は出所後、お笑いコンビを組み、芸能界デビューしたという」

 著者は元警視庁刑事を自称する人物。しかしそこにはお笑いコンビの名前はおろか、取材した経緯や情報源も一切書かれていなかった。それでもキクチを疑っていた人たちにとっては、「噂は本当だった」と信じこむ十分なソースになったのだ。

 中傷は加速し、テレビ局や所属事務所に「殺人犯をテレビに出すな」という苦情の電話をかけるまでに至った。

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