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「魂の演説」あの児玉龍彦教授が原子力ムラに「ノー!」

除染とがれき処理に住民の視点を

  • 藍原 寛子

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2011年9月7日(水)

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 「住民の期待に応える施策という観点がぜんぜんない。住民を交えたオープンな議論が必要。いったい、住民の声はどこに行ってしまったのですか!」

 「新しい政権は、急いで住民を交えたオープンな議論を!」

市民を前に講演する児玉教授(9月3日、南相馬市)

 東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は3日、「市民の安全安心を取り戻す~今、私たちにできること」と題した市のシンポジウム出席のため福島県南相馬市を訪問、住民や被災者不在の政策の問題点を指摘し、新政権への迅速対応を求めた。

 「7万人以上の人が自宅を離れてさまよっているときに、国会はいったい何をやっているのですか!」

 既に目に触れた方も多い7月27日の衆院厚生労働委員会での児玉教授の参考人発言。国の放射線測定や除染の問題を具体的に指摘し、福島県内外を転々とする避難者の実情に対して国会の怠慢を訴え、まさに「魂の演説」として地元福島でも共感を呼んだ。「衆議院TV」だけでなく、youtubeなどネット上でも動画がアップされ、多くの人に今でも繰り返し視聴されている。

除染作業には「まてないみせ」を忘れずに

 児玉教授は、5月からほぼ毎週末、南相馬市に入り、市役所の担当者とともに市内の保育所や学校などを中心に放射線の測定や除染活動を続けてきた。その体験を踏まえての発言だけに、この日も「児玉先生の話が聞きたい」と、次々に市民が詰めかけた。

多数の人が詰めかけたシンポジウム会場(3日、南相馬市)

 震災後、多数の市民が市外に避難。市役所の真向かいにある市内最大のホール「市民文化会館・ゆめはっと」には、避難先から駆け付けた人も含め、500人が訪れた。「震災後、最多の参加者となったのでは」(市)という。

 シンポジウムで児玉教授は、除染計画策定と土壌処分と保管について提言した。

 モデル除染地域を募集して先行除染を行い、市の除染対策室がコーディネーターとなって企業や市民の意見を聞き、市民の意見を反映させた除染計画を策定する。

 放射性セシウムで汚染された土壌の処分と保管については、「当該地処理を原則」とし、「浅い地中にバリア層を作って埋める『人工バリア型処分場(エンジニアド・セル方式)』のほか、放射線の遮蔽処置をしたコンテナやドラム缶型容器に入れる」などの新しい案を説明した。

 さらに、除染の緊急作業には「まてないみせ」を忘れないように、と説明。

 「まてないみせ」とは、以下の内容を指す。

・ま= マスク(土埃を防ぐマスク着用)
・て= 手袋(手に土などがつかないよう手袋着用)
・な= 長靴(側溝などの汚泥がついても洗える長靴)
・い= 飲食禁止(内部被ばく防止)
・み= 水補給(途中で手を洗って水分補給)
・せ= 線量計(線量計で計測しながら作業。高い汚染物は専門家に対応依頼し2次被害防止)

 具体的な対応を市民向けに分かりやすく説明した。

 シンポジウム終了後、児玉教授は報道陣に囲まれ、住民側から見た除染作業や汚染土壌の処理の問題を強く指摘した。自ら現場で汗をかいて除染作業を実践しながら、オープンな場で「国の施策のどこが問題か」を具体的に挙げ、新政権に対して早急な対応を求めた人は、知る限りでは児玉教授が初めてだ。

 この日記者会見で児玉教授が最初に指摘したのは、いわゆる「原子力ムラ」の問題だ。

コメント22件コメント/レビュー

 児玉教授のご努力に本当に感謝し、心から尊敬しています。鋭い切り口の大変良い記事をありがとうございます。 風評被害という言葉さえも、原発推進のための目くらまし、情報操作に使われていると感じます。現実に被害実態がないのに無知な人々が騒いでいるという『風評』という表現は不適切なだけでなく危険で失礼。現実の危険を伴った『広域放射能汚染』であることをテレビ・大手新聞がしっかり報道すべきです、、、現状全く期待できませんが。(2011/09/28)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 児玉教授のご努力に本当に感謝し、心から尊敬しています。鋭い切り口の大変良い記事をありがとうございます。 風評被害という言葉さえも、原発推進のための目くらまし、情報操作に使われていると感じます。現実に被害実態がないのに無知な人々が騒いでいるという『風評』という表現は不適切なだけでなく危険で失礼。現実の危険を伴った『広域放射能汚染』であることをテレビ・大手新聞がしっかり報道すべきです、、、現状全く期待できませんが。(2011/09/28)

政策を決めるために住民の意見を聴くっていうのはまあいい意見に聞こえるのですが意味あるんでしょうか?病気のセカンドオピニオンを危機に呪術師や占い師が出てきたら、医者としては追い出しません?政策決定に最低限必要な知識と情報を持っていない人を政策決定の過程に入れると、すごく感情的な対立がおこることが多いです。政策決定の議論の過程で分かっていなかった人に情報が渡ってみんなが納得するってこともありますが、現在の状況はそんな悠長なことは言っていられないはずです。(2011/09/13)

 原発と原爆の放射性物質に減衰速度の差はありえない、と書いた者です。これに対し「差はできる」という丁寧なコメントがありました。また、児玉教授の詳細なプロフィールを紹介された方もありました。これらコメントから、私は、私の誤りに気づきました。私の思い込みによる誤りでした。みなさまにお詫びいたします。また、今後とも、誤りは正確に指摘いただけると、大いに勉強になります。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(electron_P 11/09/12)(2011/09/12)

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