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読書の基点になる“ハブ本”10冊

<超実践 読書術 その3>

  • 日経ビジネス アソシエ

  • 斎藤 哲也

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2011年9月22日(木)

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経営戦略、環境問題からサブカルチャーまで、幅広い知識を持つべきビジネスパーソンが、様々な分野の“地図”をアタマに入れるには、まず「ハブ本」を押さえておくことが近道だ。「本の目利き」である書評ライターがガイドする。
経営戦略
ストーリーとしての競争戦略
楠木 建著/東洋経済新報社/2940円
ポーターの「ファイブフォース」や「バリューチェーン」、実務家好みのSWOT分析など、代表的な戦略理論や戦略事例を踏まえながら、本書の核心である「ストーリーとしての競争戦略」を紡いでいく「ストーリー」が見事。例え話を駆使した文章力も経営書では群を抜いている。

 「無謀な試みかもしれないが、全体を大雑把に見るということは、細部を正確に観察するのと同じくらい、時にはそれ以上に重要である」。これは『戦後世界経済史』のはしがきにある言葉だ。

 仕事であれ、趣味の分野であれ、ちょっとした偶然で私たちはあるテーマに関心を抱く。例えば同僚の勧めで、マーケティングのベストセラー本を手に取るかもしれない。著名ブロガーのブログで絶賛されている再生エネルギー本を買うかもしれない。

 しかし、その本が自分にとってつまらなかったら、せっかくの興味や関心はそこでしぼんでしまう。そこで提案したいのが、あるテーマに関心を持ったら、そのテーマ全体を大まかに見渡せるような本を手に取ってみることだ。そうした本のことを、ここでは「ハブ本」と呼んでみよう。

サブカルチャー
ゼロ年代の想像力
宇野常寛著/早川書房/1890円
アニメ、マンガ、映画、テレビドラマ、ケータイ小説など、膨大な数のサブカル作品を俎上に載せながら、ゼロ年代の時代精神を読み解いたカルチャー批評。1995年を(一応の)境界とした「想像力」の区分けは賛否両論あるものの、大胆にして刺激的。批評の面白さを堪能できる。

 では、ハブ本の条件とは何だろうか。ハブ空港がそこから様々な他の空港へ導いてくれるように、ハブ本もその1冊を起点として、多くの本に進めなくてはならない。また、ハブ空港は他の空港よりも大勢の人が利用するように、ハブ本もそのテーマに関心を抱く人の多くに読まれていることが必要だろう。大勢の人が利用するからこそ「ハブ」たり得るのだから。

 こうした観点からハブ本の具体例として挙げたのが上の10冊だ。『ストーリーとしての競争戦略』は、一見、著者自身の戦略理論を展開した本に見える。でも読んでみると、これが競争戦略の「虎の巻」としてもよくできている。例えば第1章には「ストーリーとは何ではないのか」という説明があり、巷で流行っている戦略(アクションリスト、法則戦略論、ベストプラクティスなど)を俎上に載せ、批判的に検討する。あるいは自身の戦略理論の道具立てとして、マイケル・ポーターのポジショニング理論のエッセンスを手際よく解説する。こうした具合に、この本は「ストーリー」という切り口から、既存の戦略理論をおさらいする効能が非常に高い。

世界経済
戦後世界経済史─自由と平等の視点から
猪木武徳著/中公新書/987円
第2次世界大戦後から金融危機までの世界経済の動きを、豊富な事例や出来事によって語らしめた名著。躍動感あふれる文章が、読者を世界経済史の世界へと引きずり込む。難解な数式はもとより、図表やグラフも一切なし。文章だけで勝負した著者の解説力には脱帽する。
政治思想
教養としてのロースクール小論文(上地球の論点下)
浅羽通明著/早稲田経営出版/上1680円、下1260円
ロースクール入試で出題された小論文問題を素材に、公共哲学や応用倫理、経済思想など現代の知の論点を集中講義。扱われているトピックはサンデル本とダブるが、本書旧版の刊行は2005年とサンデル本よりずっと早い。これを受験生だけに読ませておくのはもったいない。
環境問題
地球の論点
スチュアート・ブランド著、仙名 紀訳/ 英治出版/2310円
著者は、スティーブ・ジョブスが激賞するカリスマ環境保護論者。原発、遺伝子組み換え、気候工学を是とする主張そのものより、各論点に対して著者がどんな資料に当たり、どう考えて結論に達したのかーその思考の道筋に地球環境問題を考えるヒントが詰まっている。

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