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ボーカロイド・ビジネスの秘密

~電子の歌姫は、いま国境を越えた~

2011年10月31日(月)

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 「ミクさん、マジ天使!」
 とあるコンサート会場でのことです。聴衆たちは声をそろえ、そう叫びました。バーチャルシンガー・初音ミクに対する声援です。

 初音ミクという名前を、みなさんも一度くらいは聞いたことがあるでしょう。緑色の長い髪をした女性シンガーです。ただし、彼女は世の中には実在しません。彼女の歌声は、「ボーカロイド」という技術により、パソコンで合成された歌声です。

 ああ、一部の人たちが楽しんでいるムーブメントだよね。

 ――と思っている方もいるかもしれませんが、いやいや、とんでもない勘違いですよ。いまの日本で、もっとも影響力の強いポップ・シンガーは、たぶん初音ミクです。

 その証拠が、冒頭で紹介した声援です。

 これ、日本での出来事じゃありません。2011年7月。コンサート開場は、ロサンゼルスにあるノキア・シアターです。ほぼソールドアウトとなった会場で、現地アメリカ(それ以外の諸国からも訪れていた模様)の初音ミクファンたちは、上記の声援を送りました。日本から訪れた史上空前のポップ・スターに対し、熱狂とともに日本語の歌をともに合唱し、そして最大限の敬意を込めて、日本語で「Miku-San maji tenshi!」と叫んだのですね。

 ステージ上にいる初音ミクは、透過スクリーンに投影されたコンピュータ・グラフィックスに過ぎません。そんなコンサートに熱狂する人が、世界中にいるということの意味は、とてつもなく大きいです。

 だってそうでしょう? 日本の“生身”のミュージシャンで、ノキア・シアターを現地の人たちで埋め尽くし、熱狂させられる人が、どれくらいいるのですか? そう考えると、初音ミクが、巨大な人気を持っていることが分かるはずです。

 多くの人が気づかぬうちに、初音ミクが産み出したムーブメントは、凄いところまで到達しているんです。

数万のオリジナル曲を持つシンガー

 というわけで、今回から4回に分けて、初音ミク(とボーカロイド)に関するムーブメントについて、解説いたします。

 まずは、その規模について知っておいてください。一例として、カラオケ業界で起きている現象について、説明いたします。

 業務用通信カラオケの最大手のひとつであるJOYSOUND。その2010年の年間配信ランキング――つまり「去年、もっともカラオケで歌われた歌」を調べてみると、ベスト10のうちの5曲は、なんとボーカロイド関連楽曲が占めているのですね。ボーカロイド用の楽曲は、そこまで存在感を増しているのです。

 それらの曲を作ったのは、プロのミュージシャンではありません。

 初音ミクの楽曲は、基本的に、世の中にいるアマチュア・クリエイターたちの作品です(注:中には、プロが参加していることもあります)。彼らは初音ミク(や、他のボーカロイドソフト)のために曲を作り、ニコニコ動画などの動画サイトで楽曲を発表。そんな中から、多くの人に愛された楽曲が、ファンたちのリクエストにより、カラオケで歌えるようになっているのです。

コメント4件コメント/レビュー

ニコニコ動画にどっぷりつかっているとボーかロイドの作品は無料で干渉するものと思い込みがちで、意外に経済効果が大きいので驚きました。普段は考えたことのなかったボーカロイドコンテンツの市場価値についてもっと知りたいので、次回以降の記事を楽しみにしています。(2011/10/31)

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「ボーカロイド・ビジネスの秘密」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ニコニコ動画にどっぷりつかっているとボーかロイドの作品は無料で干渉するものと思い込みがちで、意外に経済効果が大きいので驚きました。普段は考えたことのなかったボーカロイドコンテンツの市場価値についてもっと知りたいので、次回以降の記事を楽しみにしています。(2011/10/31)

メディアミックスではフィギュアの展開は進んでます。■まあこれもマスプロダクトとガレージキット(個人制作)の両方で。で、個人制作の方が中古流通で高値になってる(数万~数十万)って状態です。フィギュアじゃ珍しくない、美術品的なパターンですけど。(2011/10/31)

面白かったです。アンチ既存メディアとしてのネットの活躍。次回も楽しみに待っています。(2011/10/31)

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三品 和広 神戸大学教授