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福島製ガイガーカウンター発売!

製品番号「MSW311」に込められた思い

  • 藍原 寛子

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2011年11月30日(水)

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 「県外からは福島は平常に見えるが、県民は戦争状態に置かれている。戦争状態なのに、普通の生活を送らないといけないという大きなギャップがある。そのギャップを埋め、『見えない敵と戦うツール』となるのが放射線測定器。早く県民に測定器が行き渡ってほしい、そんな思いから、プロジェクトが始まった」

 震災後、福島県内の中小企業による国産のガイガーカウンターを製造するプロジェクトが始まり、11月23日には完成した製品「ガイガーFUKUSHIMA」が出荷された。モニターで数値が表示されるLCDタイプ(1万8800円)と、アイフォンにつないで使うタイプ(9800円)の2モデルで、それぞれワンプライスである。

 従来の同種の製品では2万~5万円するところ、その半額以下に抑えた。信頼できる測定レベルを保ち、震災で経済的に苦しい家庭、お年寄り世帯でも購入しやすい安さを実現した。さらなるコスト削減を図るため、代理店方式を取らずに特定非営利活動法人「営業支援隊」のホームページからのみ注文を受け付ける方式を採った。

完成した「ガイガーFUKUSHIMA」。左がiPhone接続タイプ、右がLCDタイプ

 福島県産ガイガーカウンター製造プロジェクトの中心となっている1人、福島県郡山市に本社のある通信事業の「テレジャパン」社長、宗像(むなかた)忠夫さんは、プロジェクトへの熱い思いを語った。

無力感と悔しさをバネにプロジェクト始動

 宗像さんはかつて日立製作所の関連会社で働いていた技術者で、震災前は郡山市と都内を行き来しながら仕事をしていた。福島県内の中小の工場が地震と原発事故で大きなダメージを受け、我が国を支えるものづくりの現場が完全に自信を失くしているのを目の当たりにした。同時に自分自身も、放射線の不安の中で生活する県民であることも実感した。

「震災後、自分たちでできることは何かと考えた」と話す宗像さん

 「ガッカリしてばかりもいられない。何か自分たちでできることはないだろうか」。宗像さんは、長年の友人で高校教師の渡辺紀夫さんや友人とともに、この閉塞状況を打開するカギを探り始めた。

 今、目の前で起きていることは何か。

 それは原発事故で状況が一変し、日常に無力感や喪失感が漂う、いわばどん底の状態だった。さらに、SPEEDI(スピーディー=緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)による放射線量が迅速に公開されなかったことによる県民の不安もあった。そこで多くの人が放射線測定器を入手しようとしているにもかかわらず、行政や関係機関に製品が流れてしまい、市場は急激な品薄状態が続いていた。

 一般市民は入手が難しく、インターネットや通信販売で売っているガイガーカウンターやシンチレーション検出器(電離放射線の測定器)などは震災前より値段がつり上がり、10万円を超すものもあった。ガイガーカウンターの心臓部ガイガーミュラー管(GM管)も極端な品薄に陥った。

 「自動で測定するモニタリングポストが不足しているのだから、せめて個人用の放射線測定器があれば助かる。あれがない、これが足りないと言っているだけじゃだめで、ないならは自分たちの手で作るしかない。今、元気をなくしている県内の中小企業には、人材やノウハウなどのリソースは十分にある。福島県産の計測器を作ろう」。

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