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政治家にはうだつの上がらなさそうな人が多い

ノンフィクション作家中村安希氏に聞く

2011年12月2日(金)

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 新進気鋭のノンフィクション作家・中村安希さんが、若手政治家18人へのインタビューをもとに「Beフラット」(亜紀書房)を出版した。その経歴は、米国留学、日本での派遣労働、そして海外65カ国への旅と、ともすれば保守的で内向きとも言われるロストゼネレーションの中で異彩を放つ。中村さんにこれからの日本を背負って立つ若手の政治家がどう映ったのか聞いた。
(聞き手は福家 整=日経ビジネスオンライン副編集長)

―― まずは執筆のきっかけを教えてください。

中村:2009年に政権交代があって、年が明けると世の中は小沢問題で一色に染まっていました。そんなときに民主党のある議員から、「民主党には若手や中堅どころにいい政治家がいるんだから耳を傾けてほしい」という依頼が出版社にあったそうです。出版社側が書き手として探したのが若手の女。女で若くてノンフィクションやってる人となると、今やほぼ皆無らしいです。そこでお声がかかりました。

中村 安希(なかむら・あき)
ノンフィクション作家。1979年京都府生まれ、三重県で育つ。高校卒業後に渡米。カリフォルニア大学アーバイン校舞台芸術学部を卒業。日米で3年間社会人生活を送った後、65カ国を旅する。その旅行体験を綴った「インパラの朝」で2009年第7回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著に「食べる。」

 出版社からは、政治ジャーナリストの書いたものは読みたくはないし、作らないでと言われました。彼らの中で手垢がついていない人は少ないし、彼らに任せると国民が分からないぐらいニッチな話題に入り込んでしまう。それに彼らはまた政治家にインタビューをして生きていかなければならないので取材対象に気を使わないといけないでしょう。

 その点、私は1回だけですから好きなこと書いて終わり。満遍なくすべての先生について書いたり、ホットな話題について書くということは一切しなくていい。自分の世代観を背負ってでしか書けないですから。

 最初は民主党の本を出すという話だったんですが、出版社が用意したアポ通りに議員会館で取材をしていったら、民主党の議員があまり面白くなかった。それに民主党の中であまりにも意見がばらついていて、それを一本にまとめて書くなんてことは不可能ということになり、自民党、みんなの党にも横断的にインタビューして、本当に面白いと思ったことだけを、自分の体験にひきつけて書くという形にした。

―― 若手から中堅の18人の政治家にインタビューしてみて、彼らに日本を変えていく力があると感じましたか?

中村:できないですね。社会にいてもうだつが上がらなかっただろうな、という人が多かった。彼らが一般の会社に入っていたらどのくらいお給料をもらっていたんだろうとか、どのくらいリスペクトされていたんだろうとか、どの程度のポジションにいけたんだろうなとか、いろいろ考えたりしたんですけど。

―― じゃあ日本では二流、三流の人間に政治を任せていると?

中村:いやあそうですよ。そういう本ですよ、これは。だから逆に、本書で例外的に取り上げた山内康一さん(衆議院議員、みんなの党)や小川淳也さん(衆議院議員、民主党)は政治家にならないほうがいい人生を送ったんじゃないかと思います。

 山内さんは元々難民問題や海外援助がやりたかったわけで、しゃべり方を聞いていてもやはり頭はいいし、自分のやりたいことをこれまでまっすぐやってきて、いまなんで自分が政治やってるんだとか、思うところもあるんじゃないですか。彼は派閥活動などをやらないタイプの人なので、選挙は得意じゃないかもしれないですが、やりたいことがはっきりしているので、落選したとしてもその後もいきいきとやりたいことをやっていくと思う。

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