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東京マラソン2011 はとバス収容体験記

~制限時間内に走れなかった場合は、こうなります~

  • 尾越 まり恵

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2011年12月5日(月)

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 2012年の東京マラソン開催まで3カ月を切った。練習を積んでも積まなくても、当日のアクシデントや体調不良などのリスクはつきまとう。今回は、完走を果たせなかった著者の「収容バス」体験記をお届けします。

 2011年2月27日(日)午後15:00頃、私ははとバスに乗っていた。といっても、旅行ではない。東京マラソンの関門に引っ掛かってしまった。

 マラソン大会には「制限時間」というものがある。コース上にいくつかの関門が設けられており、そこを決められた時間に通過できなければ、それはもう容赦なく走ることを止められてしまう。交通規制をして地域の皆さんに迷惑をかけているので、これは仕方のないことなのだ。

 東京マラソンは、都庁前をスタートしてビッグサイトにゴールする。その間に設けられた関門は8カ所で、それぞれに閉じられる時間が決められている。ちなみに、ゴールまでの制限時間はスタートから7時間だ。

 「7時間なんて、歩いてでもゴールできるでしょ」とよく言われるが、実際関門に引っ掛かった私は言いたい。「歩くことすらできなくなるんだから」と。

 関門を通過できなかったランナーはどうなるのか。大会によって違うが、基本的にはバスなどの大型車に乗せられ、ゴール地点まで運ばれる。それが東京マラソンの場合は「はとバス」なのだ。このはとバスに乗せられて、私の初フルマラソンへの挑戦は終わった。

「運」と向き合う

 2010年の10月、何気なく開いたメールで私は東京マラソン当選の事実を知った。その時は、走り始めてまだ1年ほどで、最高距離は山中湖一周の13.5キロだった。

 どうしよう。受かると思っていなかった私は悩んだ。42.195キロなんて未知の世界。私に走れるだろうか。

 そもそも、私は運動が苦手だ。出産予定日より2か月近く早く未熟児で生まれた私は、そのまま小さく育ち、運動とは無縁の生活を送ってきた。体育の成績はいつも2。ハードルや高跳びは私の身長にはあまりにも高すぎて、体育の先生に「おまえは飛ばんでいい」と言われたくらいだ。

 そんな私がなぜランニングを始めたのか。それは、「友達がほしかった」からだ。

 大学を卒業してすぐに、地元福岡で某情報誌制作会社に入社。27歳のときに自ら希望して東京に異動した。東京には職場以外に友達と呼べる人がほとんどいなかった。半年ほどたって体調を壊し、2週間の絶対安静を言い渡された。

 このままではいけない。東京に来ることはずっと夢だったのに。

 病気が完治した後、自分で何か切り開こうと思って始めたのが、ランニングだった。ランニングなら運動音痴の私でも、人に迷惑をかけずに続けることができるかもしれないと思ったのだ。

 実際、ランニングを始めて世界は変わった。知り合いも増え、体は健康になった。さらに、今年私は会社を辞めて独立したが、もしランニングをしていなかったら、その一歩さえ踏み出せなかっただろう。

東京マラソン完走に向けて決意も並々だった…

 当選メールを見ながら私は思った。約9.2倍もの倍率をくぐり抜けて当選した意味がきっとあるはずだ。この「運」ときちんと向き合ってみたい、と。

初フルマラソンへの挑戦

 東京マラソン当日、3万人以上のランナーが都庁に集結した。その様子は壮観だった。

 しかし、そんな中、私は不安でいっぱいだった。

 大会前は、かつてないほど練習をした。11~12月は月間40キロ、1月は50キロ、直前の2月は60キロ。少ないと呆れられてしまうかもしれないが、私にしては上出来だった。実際のコースの試走もして、万全の態勢で当日を迎えられるはずだった。

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