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Vol.45 スタートラインに立ったら「知覚・認識」の動詞を捨てよう

一次予選突破の秘策をチノボーシカ先生が伝授!

  • 千野 帽子,堀本 裕樹

バックナンバー

2011年12月27日(火)

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 あっという間に、今年最後の更新となりました、「飛び込め!かわずくん」。これもひとえに、こちらに投句してくださいました方々のおかげです。お歳暮代わりにこの連載と連動し、特選句の講評を掲載している「日経ビジネスアソシエ」の「投句教室575」から、今日マチ子さんのイラストをお送りいたします。兼題は「木の実」で書いていただいたものです。

 さて今回は、投句をいただいているみなさまのために、堀やん先生ならぬ「チノボーシカ先生の選句物語」をお送りします!! 堀本さんとはまた違う、ドライな味わいをお楽しみいただけると思います。

 なお、編集部の判断で、例に掲げさせていただいた句の作者名を伏せております。「名前を出してほしい」という方はお手数ですがコメント欄まで、お名前入りでお知らせください。

 それでは2011年最後のかわずくん、どうぞお楽しみください!

マッハ20.チノボーシカ先生の選句物語。

 日直のチノボーシカです。

 「かわずくん」では、投句にたいする提案を堀やんにばっかりさせてきた。申しわけない。「マッハ575」年内の更新は今回が最後なので、私もこのへんで少しやってみようと思う。「堀やんの選句物語」と多少カブるかもしれないけど、考えかたが違う部分もあるだろうから、改めて読んでいただければと思います。

 このあたり気をつけておくと、一次予選突破はわりと簡単です。

 知覚・認識の動詞には注意というお話。これは俳句ではよく言われることです。

 俳句をスタートしたときに、「××を見た」「××を聞いた」「××を感じた」「××を思った」という“報告”をする人がけっこういるのには驚く。

 小学校の国語の時間に書かせられた児童詩じゃないんですから、知覚・認識の動詞をそういうふうに使うのは野暮の骨頂。句の発話者は「見た」からそう発話しているんでしょう?

オルガンの窓辺に見ゆる花菜かな

他の意味でも曖昧な句で、オルガンが見えるのか花菜が見えるのかよくわかりません。

 「見ゆ」を知覚の動詞と言っていいかは日本語学者ならぬ私にはよくわかりませんが、それはともかく、オルガンだか花菜だかが「見えた」から、句の発話者はオルガンと花菜のこと言っているわけでしょう。「見えた」まで言わなくてもわかってます。

 因みに花菜は「かさい」と読むとブロッコリーなどの花を食べる野菜一般をさしますが、俳句では「はなな」と読んで菜の花をさします。

 知覚の動詞には見る・聞く・嗅ぐ・味わうなどがある。いっぽう認識の動詞の代表が「思う」だ。この両方を一句のなかに入れた業の者もある。

苺みて思春期のころの我おもう

苺で思春期とか青春を持ち出すのはとてもオヤジ臭いおばさんくさいことだと思います。で、この手のことはだれしも考えるらしく、まったく同じ句が他の人からも投稿されてくる。

苺食う十七の恋思いだし

テンプレートだけで俳句を作るとこうなるんですね。

 知覚や認識の動詞をヘタに使うと、「え、だって知覚・認識したから発話してるんでしょ? 知覚・認識したってわざわざ言わなくてもわかるよ」と読んだ人に思われてしまうだけではない。知覚や認識の動詞をヘタに使った句が読者に与える厭な感じをもう一歩踏みこんで解説しよう。

 「東京マッハ」vol. 1(発売中の電子ムック『ビジネスパーソンのための俳句入門』に句会録が収録されてます)のときに、長嶋有さんが俳句の「メタ性」について述べている。俳句の面白さは句の内容だけにあるのではなく、そんなことを俳句にしてしまっている、というところににあるというのだ。

 たとえばこんな呆れるような句(褒め言葉)がある。

鳥の巣に鳥が入つてゆくところ

波多野爽波

意外にも「鳥の巣」は季語だったりするんだけどそれはともかく、呆れるほどなんにも言ってない句だ。大事なことは、この句には「を見た」「が見えた」などの知覚の動詞が書かれてないこと。にもかかわらず、この句の持つ味って、「そんなことを俳句にしちゃってる波多野さんて変!」というメタなおかしさにあったりする。前掲句とは真逆のスタンスだ。

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