季語の宝庫でもある新年、松の内も過ぎまして、かわずくんたちはいかがお過ごしでしょうか? 「日経ビジネス アソシエ」の月刊化に伴って、連動コラムの「千堀の投句教室575」が月に一回のお目見えになりましたが、かわずくんは毎週参上いたしますよ!
さて、2011年の初荷は堀やん先生です。イトウエルマさんも二回目の登場です!

連載管理人A(以下A):新年のご挨拶には少々遅くなりましたが、今年も、千堀連載の「飛び込め! かわずくん」、「日経ビジネス アソシエ」の連載「千堀の投句教室575」をよろしくお願い申し上げます。
堀本裕樹(以下堀本):2012年も千野さんとともに誠心誠意、皆さんの俳句を楽しみに選句させていただきます。
連載管理人Y(以下Y):お年玉代わりに、心ばかりの読者プレゼントもありますよ! イトウエルマさんのイラスト「字余りちゃん」入りカレンダーです。投句していただいた方から、適当に選んでお送りしますので、ご希望の方は「字余りちゃんカレンダー希望」とコメント欄にお書きくださいね。
A:適当にって…。特選や秀逸とは別の視点で、両師匠と私たちが選んでお送りしますね。どうぞお楽しみに。
堀:では、さっそくですが、少し気になった句を観ていきましょうか。
A:はい、こちらですね。
湯気の立つおでん齧って帰る夜道
しののめよめ
田舎道人訥々と冬帽子
菊八
堀:この二句に共通しているところ、何かわかりますか?
A:え〜何でしょうか? そうだ、「道」ですね。
堀:そうです、「道」ですね。一句目は「夜道」、二句目は「田舎道」、どちらも「道」を詠み込んでいます。
A:「道」というと、少し寂しい感じがしますよね。フェリーニ映画「道」のせいでしょうかね。あああのメロディーを思い出すだけで哀しい…。
で
堀:いや、むしろEXILE「道」やないか?
A:はっ?? 先生今何と?
堀:コホン。Vol.36(「帰り道、月の光に気をつけて」)でも触れたのですが、やっぱり同じミスを犯す句が多い。
A:初心者が典型的にやってしまうのが、上五か下五に「帰り道」を詠むパターンなのですね。
堀:今回はそこを詳しく説明します。きっちり復習しましょう。
「帰り道」と置くと、たしかに抒情的になったように作者は思うのですが、読む方からすると、「帰り道」に何かしたんだね、感じたんだね、という、説明だけで終わっていることがほとんどです。「帰り道」の句はだいたい、「さあ五文字足りない、どうしよう…そうだ、『帰り道』だ!」となって詠んだか、最初から「帰り道」ありきで、「帰り道」の雰囲気にどっぷり自ら浸ってしまっている句作りになっています。
A:「帰り道」、を思いついたら用心した方がいい。危険信号なんですね。
堀:どちらのパターンにも共通していえるのが、その句に対して作者が客観性をきちんと持っていないことです。客観性に欠けていると、読み手には作者の思いや作為が見えすぎてしまって、心に響いてこないわけですね。
A:「はいはい、そういうことね、それがどうしたの?」となってしまう。
(次ページに続く!)
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。






からのご案内




