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「自由の前提は規律」AIJ問題を二度と起こすな

「これでは会員企業が年金倒産してしまう」の声に答えるための対策を

  • 片山 さつき

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2012年3月28日(水)

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 2月24日、日本経済新聞朝刊一面に信じがたい記事が掲載された。2000億円もの厚生年金基金の運用を受託しているAIJ投資顧問が、顧客資産の大半を消失させてしまっている可能性があるから、金融庁が業務停止命令を出すという。

 すぐに金融庁の担当課長を呼び、事情を聞いているところへ、相次いで電話が入った。トラック、宅地建物取引業、卸売り団地、鉄鋼組合など、私が親しくしている業界団体の厚生年金基金が、被害を訴える電話をかけてきたのだ。

 「どうすればいいんか? 代行割れもしているし、進むも地獄、戻るも地獄。これでは最悪の場合、会員企業が年金倒産してしまう」――。

 既にテレビで繰り返し報じられているので、AIJの被害者の大半が、同業者が集まって組成する“総合型”と言われる年金基金であることは読者諸氏もご存知かと思う。

 総合型は、加盟している会員企業のいずれかが倒産すれば、残った会員企業が倒産した会員の分まで穴埋めする「連帯責任」型である。今回のように運用資産に大きく穴が空いてしまったら、受給者に対しては会員企業が穴埋めをしなければならないし、その会員企業のどこかが、年金の穴埋め負担に耐えられずに破綻すれば、そのツケは残りの企業に回る。連鎖的な年金倒産を引きおこす可能性は十分にあるのだ。

 日本が投資顧問業を解禁した1986年、私は証券局の係長の職にあり、当事者として投資顧問業の誕生に関与している。98年に誕生したSPC法の制定にも関わるなど、長年証券行政に関わってきたという自負がある。

 関係先にヒアリングをかける一方で、被害に遭った厚生年金基金からも詳しく事情を聞くなど、情報を収集。ざっと計算したところで、現時点でも2,134億円の穴が開いているのだから、被害者は最大で90万人に上り、この90万人の20年分の損失となると1兆7000億円にもなりうる。

 さっそく自民党の関係する各部会に呼びかけ、2月29日、与党に先駆けて1回目の合同ヒアリングを行った。

厚生労働省、金融庁の不作為の罪

 以下のスキーム図は私が複数の企業年金基金からのヒアリングで作成したものだ。

 被害にあった基金が受け取っていた、投資対象の外国私募投信一つであるエイム・ミレニアム・ファンドの昨年12月末時点の運用報告書を見ると、オルタナティブ運用だのオプションだのを駆使し、連戦連勝ですという内容になっている。だが、なぜこれだけの利益が出ているのかという具体的な説明は一切書かれていない。

 一応、この運用報告書で、時価情報を提供しているエイム・インベストメントがAIJの子会社であることは、わかるようになっている。身内のお手盛り評価である可能性を疑うべき立場にあるはずの監査人が、堂々と印鑑を押している。

コメント7件コメント/レビュー

BSフジでの片山議員のお話も聞かせていただきました。日経BPにしては久しぶりに大変真っ当な記事でした。天下りは、そもそも「お上」をありがたがる気持ちを無くさない限り、そして「役人による報復」(江戸の敵を長崎で)を決して許さないことにしなければ決してなくならないでしょう。一方昨日の衆議院での参考人質疑でのAIJ社長の発言に極めて大きな違和感を持ちました。少なくとも「虚偽報告」を作った時点で「詐欺罪」に該当すると思います。もし、これが「詐欺罪」に該当しないなら日本の刑法はあまりにも甘すぎると思います。しかも、法定刑では「10年以下の懲役」です。つまり3~5年もすれば出所するわけです。1千数百億円の他人から預ったお金を溶かしてしまってもたった10年の刑。世界標準は関係ありません。日本はお金に関する犯罪に対して甘すぎます。多分今回の事件に関連して今後数十~数百人の方が自殺すると思います。つまり、この社長が数十~数百人を殺したことになるのです。殺人罪の場合3人殺害でほぼ100%死刑になります。同様に考えるなら、今回の社長は「死刑」に該当すると考えるのは不当でしょうか。死刑にしてもお金は帰ってこないかも知れませんが、10億を超える経済犯罪を「死刑」にすれば犯罪抑止力は向上すると思います。(2012/03/28)

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いただいたコメント

BSフジでの片山議員のお話も聞かせていただきました。日経BPにしては久しぶりに大変真っ当な記事でした。天下りは、そもそも「お上」をありがたがる気持ちを無くさない限り、そして「役人による報復」(江戸の敵を長崎で)を決して許さないことにしなければ決してなくならないでしょう。一方昨日の衆議院での参考人質疑でのAIJ社長の発言に極めて大きな違和感を持ちました。少なくとも「虚偽報告」を作った時点で「詐欺罪」に該当すると思います。もし、これが「詐欺罪」に該当しないなら日本の刑法はあまりにも甘すぎると思います。しかも、法定刑では「10年以下の懲役」です。つまり3~5年もすれば出所するわけです。1千数百億円の他人から預ったお金を溶かしてしまってもたった10年の刑。世界標準は関係ありません。日本はお金に関する犯罪に対して甘すぎます。多分今回の事件に関連して今後数十~数百人の方が自殺すると思います。つまり、この社長が数十~数百人を殺したことになるのです。殺人罪の場合3人殺害でほぼ100%死刑になります。同様に考えるなら、今回の社長は「死刑」に該当すると考えるのは不当でしょうか。死刑にしてもお金は帰ってこないかも知れませんが、10億を超える経済犯罪を「死刑」にすれば犯罪抑止力は向上すると思います。(2012/03/28)

 諸悪の根源は、「天下り」である。 それを強化し続けてきた自民党に、云々する資格はない。(2012/03/28)

タイトルとしては「自由の前提は規律」であり、的確な情報提供・開示を前提とするより進んだ自己責任社会。内容は、片山さつき議員のレベルの高いAIJ問題に対する包括的見解非常に啓発的です。また、本来政治家に求められる責任遂行表明「そして2度と同じ被害を出させないための対策作りも我々の仕事だ。“手応え”を感じられる成果を一日も早く上げることをお約束したい。」で締められている。期待し活躍を祈念申し上げます。以下小生理解・意見1、天下り社保庁OB関連の分析論評(現政権の至らなさ含む)賛同。2、投資顧問業者の登録制は、目的と監督官庁の役割及び相談窓口が周知される必要がある。3、投資に対する国民教育・啓蒙の抜本的見直し。貯蓄から投資へという国策に対し教育が基本的に遅れている。暫定策としては「基金側にも、少なくともFPの資格を持つ理事や担当者を置くことを義務づけ」及び「公認会計士、弁護士の雇用対策」への活用も1案。4、代行返上の動きが企業に生じた段階で厚労省は原因分析対策を実施すべきであった。5、中小企業被害対策は、被害者目線に立ち且つ自己責任の視点も十分加味して適切に行われるべきです。6、今後の対策として、適切なコンサルを複数の年金基金が共同で雇うためのシステム作りも良案。7、「有効なタックスヘイブン対策案を、日本としてG7に提案もすべき」も重要。(2012/03/28)

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