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Vol.56 全員が「受からん」と思ったオーディションで受かる方法

  • 千野 帽子,堀本 裕樹

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2012年3月30日(金)

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 お笑い界きっての読書家、ピース又吉こと又吉直樹さんが、当連載主催の千野帽子・堀本裕樹と語り合う鼎談、後編です。とっさのアイデアを生む秘訣から、小難しそうな小説が隠し持つ、お笑い顔負けのギャグの味わい方まで、どうぞお楽しみください!

前編から読む】

又吉直樹(またよし・なおき)
1980年大阪府生まれ。吉本興業所属のお笑いコンビ「ピース」として活動中。「キングオブコント2010」準優勝。テレビ番組「ピカルの定理」(フジテレビジョン)出演中。読書家として知られ、舞台の脚本も手がける。せきしろ氏と共著の自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(幻冬舎)がある。
(写真:大槻純一)


第2図書係補佐』(又吉直樹著、幻冬舎よしもと文庫、520円)

堀本:プレゼンでも会議でも、そしてお笑いでも、「その場その場に合わせてしっかり準備する」だけでは、たいして面白いことはできない。準備したロジックの枠をどう飛び越えるかだ、というお話を伺ってきましたが、又吉さんはどんな手を使いますか?

:「理屈飛ばす」みたいなことで言うと…テレビ番組のレギュラーを獲ったときの話しましょうか。

 番組レギュラーになるには、オーディションがあるんですね。朝の7時から、50組以上の若手芸人が劇場に集まって、有名な構成作家さんとかテレビ局の人の前で芸をやる。その中から1組か2組だけが受かってレギュラー番組を勝ち取れるんですね。大阪でも東京でもやるから、両方だと100組ぐらい。

 実はそのみんながね、「自分らは受からん」と思ってるんです、まず。

全員が「受からん」と思ったオーディションで受かる方法

千野:又吉さんもそう思っていたんですか。

:気持ちは分かりますね。自分も何百回と落ちてきたし。みんなも落ち慣れしているから、「受からん」と思っている。

 でも、絶対に受からなさそうなこの100組の中から、少なくとも1組、2組が受かるわけじゃないですか。

堀本:そうですね。

左から堀本さん、又吉さん、千野さん(写真:大槻純一 以下同)

:それやのにみんな勝手に「受からん」と思てる。これはチャンスや。しかも朝7時なんて早い時間は、芸人ってみんな朝に弱いからやる気ないに決まっていますから(笑)。

:なるほど!

:せやからそのとき、僕は「まず、受かるって信じよう」と。それで昔の相方に、「一番いい服着てきてくれ」と。

 それで集合時間よりずっと早めに来て、ネタ合わせして、声、出るようにして、ネタ完璧にして。そして舞台袖で、自分らの番が回ってくるまでのすべての芸人のオーディション風景を見たんです。

堀本:それは何のために?

:オーディションで質問する内容って一緒なんです。「ライバル誰ですか」とか、みんなまじめに答えるんです。「同期の誰々で」とか、みんなめっちゃまじめに答えているなと思った。ネタの感じを見ていると、僕らが用意したネタとほぼ互角なんです。同じ劇場で、同じレベルでやっている人ですから。

 受かろう思うたら、イチかバチかで真逆いくしかないと思って。前にいるのが有名な作家さんやから、みんな萎縮してまじめに答えるんですけど、よし、完全におちょくった感じで全ボケでいってみようと思って。

 ライバル誰ですかって聞かれたらすぐに「ゆずです」とか、全部ふざけたんです。ほな受かったんです。

堀本:ほほう。

積んで、積んで、でもそれに頼らない

:それって、たぶん普段の僕やったら絶対まじめにやって落ちているんですけどこのときはそうじゃなかった。積んでいって、積んでいって、どこかで1回ちゃうことをやると、何とかなる場合があるんです。

連載管理人Y:なるほど…準備は完全にしておいて、本番ではそれに頼らない。その場の状況を大胆に受け入れる。

:それを常に思ってますけどね、何かやるときに。

千野:がーっと用意した後に、ふっとこう力を抜くと、アイデアが来るんですね。

Y:又吉さんのお話で、超有名な本ですが、ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』を思い出しました。

アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング著、竹内 均解説、今井茂雄訳、阪急コミュニケーションズ、816円

千野:ああ、ありましたね。米光一成さんの本に出てきたやつだ。

Y:すごい薄い本なんですけど、お読みになったことありません?

:ないですね。

Y:乱暴に言いますと、アイデアを思いつくには、まずデータを集めろ。そしてそのデータを元に関連性を考え尽くせと。考え尽くしたら、今度はそのことをしばらくの間一切考えるなというんですよ。

千野:考え抜いて忘れる。

Y:さすればアイデアは生まれるであろう、みたいな。

:へえ。

堀本:何か似ていますね。

Y:一度忘れろというところがすごく面白い。

千野:それは大事ですよ。

堀本:お笑いも企画も俳句も、暗記じゃないですからね。

Y:お笑いのお話から思いもかけず、実用的なお話を聞けてしまった。

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