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相次いで立ち上がる「市民共同発電所」構想

真の復興は地域の「エネルギー自立」にある

  • 藍原 寛子

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2012年4月4日(水)

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 原発に代わるエネルギーを自分たちの手で作っていこう――。脱原発に向けた再生可能エネルギー事業の確立に向け、地域住民を核とする新しい動きが福島県内で起きている。その一つが「市民共同発電所事業」の立ち上げだ。地元の企業や住民、団体などが共同で出資して、発電所の施設やシステムを構築し、その地域内で再生可能エネルギーを生産し、売電して、住民に供給するとともに、自然環境の保護や雇用創出、地域の自立を目指すというもの。

 「市民共同発電所事業」にはさまざまな事例があるが、海外ではデンマークやドイツで、住民が主体となった共同組合方式での太陽光、風力などの自然エネルギーの活用が進んでいる。国内でも、北海道や秋田県、長野県などで、住民やNPOなどが中心になり発電事業に着手している。

 福島県内でも、震災による脱原発、脱東電の動きに加え、再生可能エネルギー法による今年7月1日からの固定価格買い取り制度(日本版FIT)の導入に合わせて、「市民共同発電所事業」発足に向けた動きが昨年の秋以降、加速した。県内で地域振興に取り組んできた地域団体や企業、個人などが参加して、福島市、伊達市、二本松市、南相馬市、いわき市、郡山市など地元市町村名を付けた「太陽光発電所企業組合」(福島市の場合は「福島市太陽光発電所企業組合」)が13地区で設立された。登記手続き中の組合、準備中、予定を合わせると、現在までに県内で20を超える企業組合が各地域で事業を計画している。

エネルギーを地産地消、県内で「原発1基分」を目指す

 各企業組合は再生可能エネルギーの「地産地消」によって、地域を活性化していこうという考えを基本にしている。それぞれの組合は独立しているが、「福島おひさま連合」として、フラットな関係で連携を結ぶ。福島の復興と振興、地元の自立を目的に、各企業組合の出資者、参加者をあくまでも地元住民に限定し、各地域の自然、経済、社会などの実情に合った長期的事業展開を原則とする。ミッションや定款、事業内容、国県等関係機関への申請書式の内容・文言、出資金額、シンボルマークなどを統一するMSO(マルティプル・システム・オペレーター)で運営。お互いに連携支援しながら、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの発電、売電事業、環境や食品の放射線などの測定事業、各市町村の災害復興調査研究などを各地域で行うこととしている。

 各企業組合のなかで、最も早く活動を開始した組合の1つが福島県伊達市に本部を置く「伊達太陽光発電所企業組合」。これまでにデンマークやドイツの成功事例を学び、現地の議員などとも意見交換して自然エネルギーによる地域づくりを研究してきた。

 「私たち戦後の団塊世代が原子力エネルギーの恩恵を最大限受けてきた。そういう社会を自分たちが作ってきた。しかし今後は、我々の責任で安全・安心の地域を後世に渡していかなければならない。東電が悪い、政府が悪いと、誰かに文句を言うのではなく、自分たちの責任でやっていこうと考えたとき、このような企業組合によるエネルギーの地産地消による地域の活性化が大切だということになった。風力、水力、バイオ発電で5年後に100万キロワット、県内全域で原発1基分の発電を目指す。そうやって県内各地で市民の発電所が広がれば、原発をなくすことができる」

 森設備(伊達市)の代表取締役を務める、森茂雄・伊達太陽光発電所企業組合理事長は、地元住民の力で電力事業に取り組むメリットを力説する。

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