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アマゾンからペットがやってくる日

2012年4月20日(金)

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 犬や猫のインターネット販売をめぐってトラブルが続出しているようだ。

 4月17日付の読売新聞に、「30万円で買った犬を空港に引き取りに行ってみると、既に衰弱していて、その日のうちに死んでしまった」という神奈川県在住の20歳代の女性の事例が紹介されている(リンクはこちら)。

 記事は、「環境省の調査によれば、ネット販売などでは2割以上でトラブルが発生」している点と、「購入されたペットの1割強は、健康状態が悪かった」旨も伝えている。

 なるほど。
 思いがけない感じもするし、思った通りであるようにも思える。

 どういうことなのかというと、つまり、インターネットでペットの取り引きが行われていたこと自体はかなり思いがけない出来事なのだが、現実に売買が行われているのであれば、トラブルが続出することは、容易に想像がつくということだ。

 この記事を読むまで、私は、犬や猫がネット通販されているという事実を知らなかった。
 想定もしていなかった。

 色々なものがインターネット上で取り引きされていることは知っていたが、まさか犬や猫をクリックひとつで買う人たちがいるとは思ってもみなかったのだ。私の想定が甘かったということだろう。

 金魚が売られているのは知っていた。
 実際に買った人間を知っているからだ。

「え? 金魚ってネットで買えるのか?」
 はじめて聞いた時はびっくりした。
「ここにいるランチュウはみんなインターネット経由だぞ」
 見ると120センチクラスの巨大水槽に、体長15センチほどの巨大な金魚が8匹泳いでいる。

「どうやって配達するんだ?」
「そういう宅配便があるのだよ」
「でも、実物を見ないでどうやって選ぶんだ?」
「稚魚だし、どうせ細かいところはわかんないから」

 その男によれば、ランチュウの稚魚のうち、「型の良い」成魚に育つのは数百匹に一匹であるらしく、そういう意味では、稚魚を育てるのは宝くじを買うようなものなのだそうだ。

「カタが良いってどういう意味だ?」
「アタマのコブとか、全体のフォルムとか、尾びれの具合とか、色々だよ」
「で、そのカタの良いランチュウに出くわすと良い値段が付くということなのか?」
「5万円ぐらいの魚はゴロゴロいるよ。何十万円というのもいるらしい」

「こいつらはどうなんだ?」
「まるでダメだな。なによりコブが出て来てないし。そもそも30匹ばかりの稚魚から品評会モノの魚が出てくるわけないんだよ」
「30匹? 8匹しか居ないぞ」
「残りは死んだ。屋外飼育してた時に猫にやられたり、震災の時に水槽内津波で飛び出したりしてな」

「……大変なんだな」
「っていうか、事情通に言わせると本当に血筋の良い個体は、ネットなんかには流れて来ないらしい」
「じゃあなんで買うんだ?」
「ネットの魔力ってやつだよ」

 なるほど。ネットの魔力か。それは私にもわかる。
 アマゾンで本を買ったことのある人間は、覚えがあるはずだ。

コメント34

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「アマゾンからペットがやってくる日」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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