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「上司説得型」を脱し「リアルタイム」で意思決定できる組織を

【特別対談】一橋大学大学院の楠木建さん×インフォバーンCEOの小林弘人さん

2012年4月27日(金)

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 500ページを超える本格的な経営書でありながら16万部突破のベストセラーとなった『ストーリーとしての競争戦略』を著書に持つ一橋大学大学院の楠木建教授。
 そして、『メディア化する企業はなぜ強いのか?』などでソーシャルメディア時代の企業の情報発信について説くインフォバーンCEOの小林弘人氏。
 コミュニケーションのコストが下がり、誰もが気軽に発信できる状況のなか、企業はどのような戦略で臨めばいいのかについて、両氏に対談してもらった。キーワードは、「リアルタイム」で対応するための「権限委譲」である。

楠木建先生が解説を書かれた『リアルタイム・マーケティング 生き残る企業の即断・即決戦略』は、同じ著者による『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の実践編とも言えます。

楠木 建氏(写真:大槻 純一、以下同)

楠木:ソーシャルメディアを多くの人が使うようになり、コミュニケーションにおける「反応のリードタイム」をゼロに近くすることができるようになった。このような状況では、マーケティングやPRを「リアルタイム」で行うことが求められる。「今すぐ」反応することで成果をあげた企業もあれば、失敗して“炎上”してしまった企業もある。そんな事例が満載の本ですね。読んでいるだけで忙しくなってしまう(笑)。

小林:ソーシャルメディアの現状を分析する本はいろいろありますが、この本は「時間軸」を切り口としているところが妙味ですね。ウェブサービスを手がけていると、リアルタイムというのはもはや当たり前の考え方でしょう。例えばソーシャルゲームでは、今朝アクセス数が低かったら、もうちょっとポイントを入手できる確率を上げて、アクセスを呼び込むなどのリアルタイム・チューニングは茶飯事です。また、Eコマースでは、いつもサイトを見に来てくれているけれども購入ボタンを押さない人に対して、特別なプランを提示するなど、ターゲット別にチューニングを行っています。こういったリアルタイムのチューニングは欠かせなくなってきます。

楠木:僕はこうしたソーシャルメディアなどの世界は知識に欠けるので、今日は小林さんにいろいろ教わろうと楽しみにしてきました。

ギターを壊されて頭にきて投稿した動画がブレイク

 この『リアルタイム・マーケティング』で興味深かったのは、ユナイテッド航空の事例です。デイブ・キャロルというカナダのミュージシャンが、フライトで預けたギターをユナイテッド航空にぞんざいに扱われて壊されてしまう。弁償してくれとお願いするんですけど、まともにとりあってくれないから、頭にきて“United Breaks Guitars”という曲を作ってYoutubeに投稿するんです。すると、さまざまなメディアに取り上げられて、今では1000万回以上も再生されている。

小林:有名な話ですね。

楠木:この動画が盛り上がっているときに、ギターケースのメーカーが、壊れにくい特別仕様のギターケースを開発して発売したことで注目を集める一方、ユナイテッド航空はかたくなに公の謝罪を拒んだ。小回りの利く中小企業はチャンスをつかんだけれども、大企業は失敗して炎上した。ここで僕が知りたいのは、どうしてこの動画が大勢の注目を集めたのか、ということなんです。自分の主張を歌にする動画なんて、それこそ山のようにアップされているわけでしょう?

本の中では、このミュージシャンが、テレビや新聞の取材を次々と、それこそリアルタイムで受けたことが、動画の再生回数を押し上げた、と書いています。あと、ユナイテッド航空という誰もが知っている大企業を題材にしたことが注目を集めた、というミュージシャン本人の言葉も紹介されていますね。

楠木:そうですね。これをもっと掘り下げると、企業がソーシャルメディアでマーケティングをするときに気を付けなければならない重要な問題につながると思うんです。

 ノーベル経済学賞を受けたハーバード・サイモンは、「情報の豊かさは注意の貧困をもたらす」という名言を残しています。ネット上にこれだけ情報があふれているのだから、ほとんどのものは見向きもされないはずですよね。

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「「上司説得型」を脱し「リアルタイム」で意思決定できる組織を」の著者

楠木 建

楠木 建(くすのき・けん)

一橋大学大学院教授

1964年生まれ。92年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年から現職。専攻は競争戦略とイノベーション。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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