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スカイツリーで子供に見せよう、「オトナの仕事」

『図解絵本 東京スカイツリー』作者 モリナガ・ヨウさんに聞く

2012年5月25日(金)

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 一目見るだけで、自分の中の建築物の常識を塗り替える圧倒的な高さと存在感。

 約4年前(2008年7月14日)に着工し、5月22日にオープンした「東京スカイツリー」。すでに日本の新名所となり、メディアで繰り返し紹介され、膨大な関連書籍が出版されている。

 しかし、ちょっと怖いのは、どんなにものすごいものでも、完成物として目の前にあると、だんだん「当たり前」に思えてくることだ。さらに大量の情報が馴れを加速し、私たちの感覚を麻痺させていく。

 世界一の高さの自立式電波塔であり、国内では誰も経験者がいない「600メートル越え」の建築物。日本を襲った「3.11」、東日本大震災の影響をも乗り越えた。そんなプロジェクトが「当たり前」のものであるはずはない。それを忘れないために、格好のガイド本がある。東京スカイツリー公認絵本『図解絵本 東京スカイツリー』だ。作者、モリナガ・ヨウさんの「絵描き」の目を通すことで、大人の仕事のものすごさが伝わる。彼の絵本を手がかりに、未曾有の建築物が造られた過程を追っていこう。

最初に「あとがき」の話で恐縮ですが、モリナガさんは「今回のスカイツリー取材を通して、今まで存在しなかったものを考えて実現させる人たち、しかもちゃんと日程通りに作る大人たちはすごいなあと思いました」と言っていますよね。

モリナガ・ヨウ
1966年生まれ、ルポものを得意とするイラストレーター。立体模型も手がける。早稲田大学教育学部地理歴史専修、漫画研究会在籍。迫力ある構図と、ディティールから対象に迫る手法が幅広い読者の人気を集めている。著作は記事を参照。

モリナガ・ヨウ(以下モ):はい。できてしまえば当たり前に見えますが、目の前にある「現実」は、必ずそうなると決まっていたもの、ではないですよね。ものすごくたくさんの「大人たち」が、ものすごい努力や工夫のすえに達成した仕事。それを目の当たりにさせてくれるものとして、東京スカイツリー(以下スカイツリー)ほど適した存在はないんじゃないでしょうか。

というわけでこの本は、児童書なのに、「大人の仕事」の凄みが伝わってくる不思議な絵本です。

:子供たちと建築中のツリーを見に行ったとき、まず聞かれたのが「どうして倒れないの?」でした。我々はなんとなく先入観で納得して、技術や工夫の凄みに案外無頓着になっているんだな、と気づきました。


見えない凄みと、見えていても気づかない凄み

:凄みは、完成後に見えなくなるところで特に感じましたね。地下50メートルまで鉄骨・鉄筋とコンクリートで作った「ナックルウォール(コブ付き壁杭)」が埋まっている。16階建てのマンションを、基礎として埋めちゃったようなもの。「どうして倒れないの?」の答えは、こんなにものすごいことだった。

この絵がナックルウォール。クレーンが鉄骨をつり下げている絵は写真でも見たことがあります。でも、ナックルウォールを下から見上げるイメージ(ページ右下)は、本当は土の中だから絶対見られない、イラストならではのもの。ちなみにこの工法は大林組の独自技術で、コンクリートの量、工期が両方とも大きく節約できたとか(※参考「日経コンストラクション」5月14日号)

:一方で誰からも見えるのに、意外に凄みがわかりにくいところが「鉄骨」でしょうね。

鉄骨、というと、ビル工事で見るH型やL型のイメージがありますが、スカイツリーは円筒状の「鋼管」です。

:そう、それをざっと3万7000個、溶接でトラス状に組み合わせて497メートルまでの主体構造ができています。スカイツリーで目にする部分のほとんどはこの鋼管なんですが、これがすごい。

1000年に1回クラスの地震にも耐える鋼材を国内高炉メーカー4社(新日本製鉄、JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所)から合計約4万1000トン調達、最大で厚さ10センチの鉄板を丸めて、直径2.3メートルの円柱を作る。円柱にはさらに細い支柱(枝管)が組み合わされ、同じ形の部品はひとつもなく、誤差は3ミリ以内。いやはや。

:何度も現場に取材に行って一番印象に残ったのが、あの鋼管についている「継ぎ手」。絵を描いていると、円筒のそこここについている突起が気になってくるんです。

そういうものですか。

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「スカイツリーで子供に見せよう、「オトナの仕事」」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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