• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

『困ってるひと』の著者、大野更紗の福島への思い

福島と東京の分断を埋める「作業」をしていきたい

  • 藍原 寛子

バックナンバー

2012年5月23日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ある日突然難病を発症し、先進国であるはずの日本で「難民化」した自らの姿をリアルに描きながら、医療や福祉制度の深刻な現状を社会的な問題として浮き上がらせた『困ってるひと』(ポプラ社)。著者は福島県出身の作家、大野更紗さん(27)。同書は、大学院生としてミャンマー(ビルマ)の難民支援活動の研究を志していたなかで、病を発病して支援される側の立場に立ったことで、新たに見えてきた世界を独特のタッチで綴った。

 その大野さんが5月21日、これまでメディアに語ってこなかったことを話してくれた。福島県出身者として、作家として、事故を起こした原発をどう見ているのだろうか。そしてなぜあえて今、話すのか。

 「原発事故が起きることは、わたしにとっては『とっくの昔に知っていた』ことでもあります。知っていた、という表現には、語弊がありますね。東日本大震災が起きたとき、真っ先に脳裏に浮かんだのは『メルトダウンする』というフレーズでした。それは、理屈や論理でもなく、知識とか思想とか、そういう類のものとも違うものでした。それは18歳まで、福島のなかでも特に、原発を考えることが多い環境で育ちました。福島第一原子力発電所をめぐる『家訓』のようなものから浮かんできた、個人的なフレーズです」

大野 更紗(おおの・さらさ)
1984年福島県生まれ。作家。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程休学中。2008年に自己免疫疾患系の難病を発症。著書に『困ってるひと』(ポプラ社)など。2012年、第5回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。大野さんは4月25日から、福島県の地元紙・福島民友新聞で「東京からの手紙」(毎月1回最終水曜日に掲載)をスタート、自身のブログでもその内容を紹介している

 「3.11後、福島について何度も『コメント』を求められる機会がありました。でも、『コメント』はすべてお断りしました。3月19日に自分のブログに、記録用に小文のようなものを書き、それから文芸誌に一度、長めのエッセイを発表しましたが、それも直接事故について言及するようなものではなく、『遠回しなエッセイ』で、自覚的に「のらりくらりと受け流してきた」ように思います』。

 「東京からの手紙」というタイトルは、ミャンマー難民の支援活動をしていた学部生時代に読んだ、1冊の本にちなんでいるのだという。ミャンマーの民主化運動の象徴的存在でもあり、1991年にノーベル平和賞を受賞しているアウンサンスーチーさんが、毎日新聞の紙上で連載した「ビルマからの手紙」。アウンサンスーチーさんは、軍事政権下で通算約14年9カ月もの長きにわたり自宅軟禁状態におかれながら、一貫して、対話による社会の漸進的な変革を求め続けてきた。大野さんは自身の連載のなかで、「福島と東京の深い断絶に、対話の回路がひらかれること」、原発震災後に福島県内で起きている様々な問題について、その糸口を見つけたいという期待を綴っている。連載を開始するにあたって、原発をめぐる原体験、家族や親戚、友人たちが暮らしている被災地・福島への思いを話してくれた。

 そして原発をめぐる原体験、家族や親戚、友人たちが暮らしている被災地・福島への思いを話してくれた。

コメント1

「フクシマの視点」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック