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一揆の思想とルソーの「一般意志」

抵抗する[12]――「一揆」

2012年7月12日(木)

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抵抗する[1]から読む)

抵抗する権利という思想

 これからしばらくの間、近代的な抵抗権の観念が登場する前の中世の社会において、人々が力を合わせて抵抗することができるという考え方がどのようにして生まれたのかを、調べてみたい。基本的な人権が認められれば、その人権が侵害された場合には、そのことを訴え、抵抗することは、ごく自然な考え方である。

 しかしこのような権利が存在しない時代にあっては、支配者のもつ権利と権力に抵抗するには、特別な思想と慣例が必要であった。そうした思想は、たとえば地縁的な共同体のうちから、特別な身分に依拠することで、あるいは宗教的な信念に基づいて形成されてきたのである。そして基本的な人権と抵抗権という考え方は、中世以来のこうした抵抗の思想と関連に基づいて、初めて成立することができたのである。

一揆とは

 手始めに、身近な事例を提供してくれている日本の一揆の思想から考えてみよう。辞書「大辞泉」をひくと一揆とは次のように説明されている。

一)中世、小領主たちの同士的な集団。また、その集団行動。特に、幕府・守護・領主などに反抗して、地侍・農民・信徒らが団結して起こした暴動。土一致・国一揆・一向一揆など。 二)江戸時代の百姓一揆 三)心を一つにすること。一致団結。

 今では一揆と言うと第二の「百姓一揆」とほとんど同じことだと考えてしまいがちだが、これはもっとも新しい概念であり、第三の意味が最初に登場し、それが第一の意味で特定して使われるようになり、最後に第二の意味で固定されてしまったことはすぐにわかるだろう。一揆とはもともと「心を一つにすること」だったのであり、「一味同心」ということと同義語だった。

 一揆という語は、中国からきたものらしい。『孟子』には「先聖後聖、その一揆なり」という表現があり、「揆を一つにする」意味で、日本では「平安時代のはじめには、「かれこれ一揆」とか「古今一揆」というように、「一致」「一致する」という意味で日用語化していた」[1]という。

『太平記』の一族一揆

 『太平記』の時代は、軍隊の行動というものが一変した時代だった。『平家物語』を読んでみればわかるように、あるいはNHKのさまざまなドラマでも描かれているように、武士はそれぞれの一族が同族の武士として力を合わせることで軍隊が成立していた。しかし室町時代の頃から、武士の質が一変する。同族関係で武士の集団を維持することができくなったのである。

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「一揆の思想とルソーの「一般意志」」の著者

中山 元

中山 元(なかやま・げん)

哲学者、翻訳家。

1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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