• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

空間線量が高い地域ほど子どもや母親のストレスは高い

避難した母子のストレス軽減図る事業が進む

  • 藍原 寛子

バックナンバー

2012年8月2日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 福島県内の乳幼児を持つ保護者と、乳幼児自身の不安やストレス度は、空間線量が高い地域ほど高いという調査結果を今年7月、福島大学の筒井雄二教授を中心とする同大学の研究グループ「子どもの心のストレスアセスメントチーム」が発表した。同チームは震災直後の昨年4月から、親子の不安やストレスを測定する調査を始め、今回も含めて合計3回、調査内容を発表した。

空間線量の高い地域ほど高いストレス

 同チームのメンバーは震災直後、自分の子どもの様子なども含め、屋外に出て自由に遊ぶことができず、イライラしているなど、子どもたちの行動の変化に気づいた。その当時、地震に伴う建物倒壊などの阪神淡路大震災当時に行われたPTSD(心的外傷後ストレス障害)を中心にしたケアが多く、目に見えない放射能の影響と被曝問題や、長期化する避難生活に対応したケアという視点が欠けていた。「福島では原発事故と放射能という、阪神淡路大震災とは違った不安やストレスの問題が起こっている。より適切なケアが必要なのではないか」との問題意識が浮かび上がった。そこで、まず実態を把握しようと、保護者と子どもを対象にした不安やストレスを定量的に測る調査が始まった。

 昨年11月から今年3月まで、合計3回の調査を実施。1回目と2回目の調査で、幼児を持つ親の不安やストレスは放射能への不安に起因し、子どものストレスは小学校高学年よりも、年齢の低い幼稚園・保育所児のほうが強いことが分かった。

 本来、原発事故や放射能の問題がなくても、日常生活でストレスは起きるものだが、地域差は出ない。しかし、地域差が統計上の数値として明らかに現れ、それが放射線の空間線量の高低と相関しているならば、原発事故や放射能問題の影響が考えられる。

 3回目の調査では、県児童家庭課などの依頼や27市町村の協力を得て、生後4カ月、1歳6カ月、3歳の子どもを持つ保護者と、1歳6カ月と3歳の幼児を対象に、福島県全域で以下の2つについて調査を実施した。
(1)どの年齢の子どもと保護者にストレスが起きているか
(2)地域ごとの放射線量と不安・ストレスに関係はあるか

 その結果、保護者の不安とストレスに地域差が現れた。福島市を中心とする県北地区、郡山市を中心とする県中地区、浜通りの相双(そうそう、相馬・双葉)地区という空間線量の高い地域の乳幼児の保護者は、そのほかの地域の保護者に比べて不安とストレスが高く、その差は空間線量の高さと関係があった。また、子どものストレスは、1歳6カ月の幼児では地域差が見られなかったが、3歳児は県北、県中、相双、いわきの各地区で親の場合と同じく、他地区より高かった。

コメント1

「フクシマの視点」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック