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海に入り、土に触れた福島の子どもたちの夏

ハンセン病療養所で過ごす保養プログラム

  • 藍原 寛子

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2012年9月6日(木)

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 震災から2度目の夏も終わりを告げようとしている。夏休みの期間中、全国各地のボランティア団体や市民グループなどが中心になって、福島の子どもたちを受け入れる保養事業を展開した。福島の子どもたちが全国各地を訪れ、多くの支援者と交流した。

 福島県内の現状は、震災直後と比べて空間の放射線量は下がってきたとはいえ、公園や住宅の庭の土壌、森林などの放射性物質の除去作業(除染)も終わらず、外遊びの時間を制限している学校や保育園がある。このため、全国の市民グループなどは、「時間も環境も気にしないでのびのびと走り回り、遊ぶ機会を提供したい」と、それぞれに工夫した企画で子どもたちを受け入れた。

 この連載の「さぁ夏休み!福島っ子の保養プログラムスタート」でも一部、プログラムを紹介したが、北海道では市民グループと学習塾がタイアップし、中学生を対象に高校受験対策を盛り込んだ「学習支援付き保養」を実施。学校行事や行政間の教育事業として実施することを視野に入れ、市民団体としての支援のあり方を探った。広島では、8月6日の原爆の日に合わせて、社会学習を取り入れた保養プログラムを企画。海外でも、ロシアの支援でサハリン滞在のツアーが行われるなど、福島の子どもたちはこの夏、全国各地、そして海外にも飛び出してさまざまな体験をした。

ハンセン病回復者がカンパで福島の家族を招待

 筆者は様々な企画のうち、香川県の大島にあるハンセン病療養所「大島青松園(せいしょうえん)」で行われた福島の3家族・10人を6日間受け入れる保養事業を取材した。

香川県の大島にある国立ハンセン病療養所「大島青松園」。その名の通り、たくさんの美しい松で囲まれている

 受け入れの中心になったのは、支援に当たっている高松市にある本念寺の岡学住職など真宗大谷派の僧侶と、ハンセン病回復者(元患者)による大島青松園入所者自治会。岡住職が、「夏休みの短い間だけでも、子どもたちが安心して過ごせる場として、大島青松園を提供できないか」と、入所者自治会の山本隆久さんに相談したところ、「子どものために何かできるのであれば」と賛同を得た。

 震災以降、福島の子どもたちの様子が心に引っ掛かっていたと山本さんは話す。

自治会長の山本隆久さん

 「私たちは隔離され、差別され、社会と絶縁されてきた非常に苦しい過去がある。閉鎖社会に生きていた時間があまりにも長すぎて、社会と接点を持ちにくくなっている。東日本大震災、そして福島の放射能被害の問題が起き、その状況を聞くにつけ、知るにつけ、自分たちが過去に疎外され、差別されてきたことに重なるような思いがあり、自分たちに何ができるのかを考えた。そのようなときに、真宗大谷派の方々から『大島青松園で福島の子どもたちを受け入れてはどうか』という提案があり、『それはやりましょう』ということになった。放射能の被害は大きな問題であり、子どもたちに影響があってはならない。少しでも福島の方々と関わりができ、お役に立てるならばと思った。それにしても、放射能被害の中で生活を送るのは大変なことだと思う。廃棄物の処理も解決できていないし、国の施策の遅れが気になる」

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